6月の花、紫陽花
梅雨入りすると蒸し蒸しした湿気の中なかなか気分も晴れやかになりませんが、そんな季節に旬を迎えるアジサイは可憐に咲いて、私たちの心を和ませてくれます。
今回は、アジサイの品種の紹介と、また上品倶楽部の過去アーカイブの中から、アジサイのスポットをご紹介いたします。
アジサイ色々・・・
日本在来の本アジサイは、酸性の土に植えてあると青色がきれいに出るそうです。また、ピンク色の品種には、アルカリ性肥料を与えると色が冴えるそう。ここ最近人気の白花品種は、土の酸度の影響を受けず、色変わりしないということです。
ひとくちにアジサイと言っても、最近では品種改良などの影響もあり、色んな種類のアジサイを目にすることが出来るようになりました。
いくつかの種類をご紹介しましょう。
カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)
カシワに似た5~7つに深く裂けた葉が特徴で、名前もそこから来ているそうです。
円錐形のボリュームのある花房が独特の雰囲気を出しています。
また、秋の紅葉も美しいので長期間の鑑賞が楽しめます。
アナベル
白く小さな花がついているのが特徴です。
最近ではウエディングでこの花を用いる花嫁さんも多いとか。美しく繊細な花が清いイメージで好まれる理由のひとつかもしれません。
白鳥
ヤマアジサイの一種で、装飾花が星形の八重で、両性花と言われる部分も八重の小花になり半てまり咲きのものや、ガク咲きなど形態が多様な品種です。
クロヒメアジサイ
成長とともに葉や茎が黒っぽい色になることもありこの名前になったとか。黒を含んだような深い紫色の一重のガク咲きで、ボリュームがあるのが特徴です。
ポップコーン(おたふく)アジサイ
名前通り、ポップコーンが始めたように先が丸い、なんとも可愛らしいアジサイです。
鮮やかな青色が一般的ですが、淡い色のものあるようです。鉢植えのものは贈りものに使われることが多いそうです。
ここからは、以前編集部が歩いて見つけてきたアジサイのある風景スナップをご紹介いたします。それぞれに佇まいが違い、一味違うアジサイのある風景の魅力が発見できるかもしれません。
注)今年は去年同様、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、アジサイ祭りの中止や、来場の自粛のお願い、また公営の公園や施設への立ち入りに制限が出ている可能性があります。皆様のご理解とご協力を上品倶楽部からもお願いいたします。
注)こちらに掲載した画像については2018年以前に撮影した画像になっています。
場所によっては、現在の植栽状況に変化がある場合がありますのでご了承ください。
清澄庭園に咲くあじさい
岩崎彌太郎ゆかりの庭園として知られる清澄庭園では、園内のいたるところにアジサイが植えられています。もう一つの見所の花菖蒲とともに、この季節ならではの花を楽しんでみてはいかがでしょう。
多摩川台公園入口からあじさいを望む
多摩川台公園は、大田区田園調布の多摩川左岸の丘陵地に作られた公園です。駅から公園入り口に着くと、目の前にアジサイの丘が現れると言った感じで、圧倒されます。7種類3,000株のアジサイがおしゃれに植栽されています。
白山神社参道の階段にて
東京の中心、千代田区に隣接する文京区は「白山」。
この白山には徳川五大将軍綱吉公と生母桂昌院の厚い帰依を受けた由緒ある「白山神社」があります。
白山神社と隣接する白山公園にかけて約3000株のアジサイが植えられ、この時期には鮮やかに色づいたアジサイが境内や公園に素晴らしい景観をつくりあげています。
様々なアジサイに加え、百合、あざみ、ナツツバキなども可憐な花を咲かせていました。
飛鳥山公園脇の小道とあじさい
「サクラ」の名所として有名な飛鳥山公園ですが、多くの樹木が芽吹き緑のグラデーションが美しいこの季節に、公園とJRの線路の間の小道(約300m)「飛鳥の小径」に、色鮮やかなアジサイが小路を美しく彩っていました。公園ちかくには現在では珍しくなった路面電車、都電「荒川線」がすぐ近くを走っていて、ノスタルジックな風景を楽しめます。
また、王子駅近くを流れる石神井川は、江戸時代の浮世絵にも数多く描かれていることでも有名な場所です。
現在は、戦後の護岸工事で、自然の川を模した音無親水公園として新しい姿を見せてくれています。また、春は桜の名所、夏には水遊びのできる公園としてにぎわっています。水車や、ダイナミックな岩など、川沿いの遊歩道と調和し、上から川を覗き込むと、渓谷の雰囲気もあり、都会のオアシスのような憩いの場所です。
日本の都市公園百選にも選ばれています。
いかがでしたでしょうか?
アジサイは種類も豊富で、現在では愛好家も多く、季節になれば街のさまざまなところで見かける花でもあります。
ジメジメとした梅雨も、美しいアジサイの彩りを楽しみながら過ごし、穏やかに夏をむかえましょう。