イソクズガニ

早坂 誠|2019年11月21日


磯のカニを思い浮かべて、このカニにたどり着くかたはよっぽどの方だと思う。
ベンケイガニやイソガニ、イワガニなどが磯にいるカニとしては有名。
ちなみに私の住んでいる運河にはそれらは比較的見られずに
地中海ミドリガニが優先して住んでいる。
特に暖かい季節。程よく潮が引くころの壁面を見ながら歩いていると、
至ることろにその姿が見られる。
名前の通り外来種であるが、すっかり地元感満載である。
そしてこのイソクズガニ。
比較的水がきれいな磯に生息しているようで、探すとしたら東京湾外がポイント。
実際いくつかのカニの注文を受けたことがあるので、
大概か聞いたことがあったのだが、このカニの名前は全く知らずにいた。

同様のカニで「モクズショイ」が有名であるが、確かに似ている。さらに調べてみる
と、ワタクズガニ、ヨツハモガニなど、まだまだ出てくる出てくる。
もう擬態のマジック、オンパレード状態。
知ったつもりでいても、まだまだ、深いところがあるのが生物の世界。
そして今回の主役のイソクズガニ、採集命令が来て、いそうな場所を深夜風の強い
中、探し回った結果、一つも取れず、おまけに交通違反がついてくる。
人間が擬態生物に負けた日となりました。

海藻だけでは飽き足りず、実験で水中に沈めたキュウリやニンジンまでも
自身から生えているかぎの手状の毛にはめ込んで擬態の手助け、
もしくは食糧難対策にしている。
しかし、一番の成果は、これから磯に出かけたときに宿題ができた楽しみがまた増えたこと。
磯での見分けがつくまではあきらめないと心に静かに誓った思い出。

writer ライター
早坂 誠
「水辺の動植物」の販売・管理・展示を行う
有限会社エイチツー 代表
ビオトープ計画・施工管理士
愛玩動物飼養管理士
観賞魚飼育管理士
著書「水草水槽のススメ」
関心事:音楽と生きもの。自家製梅干し。サンマの塩焼き。