さがしたら思い出はよみがえる

早坂 誠|2019年4月13日

最近昔の写真を見る機会が増えている。理由は明白で、思い出をよみがえらすためで
はなく、仕事として、義務として、パソコン内の画像をあさる機会が多くなっている
のである。プロフィールデツカイマス。と顔写真の要求。横顔を送ったら、ショウメ
ンノカオガヨイデス・・・当たり前の要求。レイアウトノサクヒンクダサイ。そろそ
ろネタも尽きてきたから、早く水槽を作らないと・・・とか。要望は様々。
今年もご依頼をいただいた、専門学校の講師。しかも昨年の倍以上のコマ数を担当さ
せていただきありがたい反面、授業進行の内容を考える時間も倍以上かかることに不
安感が押し寄せてくる中。資料つくりのために昔の画像を眺めながら、思い出を振り
かえる。
学生に対する授業の目的の一つは美しい水槽を全員作ることができるようになるこ
と。
この業界の魅力を伝えるために、楽しい思い出の画像をポツポツとちりばめる。
もちろんブラジルへの水草調査も、学生が楽しめるような資料が満載である。
市場に山積にされた魚や、近くまでくるワニなどはうってつけの資料。
その中で、一見地味に映る今回の写真。私自身としては市場の山積の魚や、ワニより

よっぽど貴重な資料なのだが、・・・これを魚が好きで来た学生に伝えることが大変
難しい。
何より、魚が映ってない。一見ただの水面である。
その中で一人、二人でも、コノミズクサに目線が言って、オォォォーーーと発してく
れることを
祈って。 ジャーーン。。。と移す。
シーーーン。誰も答えてくれないことはもちろん。初回授業の緊張と疲れで、頭が左
右に揺れる
学生もちらほら。という。想像が成り立つ。

今回使用したのは、このアップの写真。一世代前の水草好きにはだれでも深い思い入
れのある水草。
Syngonanthus macrocaulon 通称 トニナsp.
と言われている水草。

今回、この写真を見ても、新入生の学生は誰一人も名前を言うことができなかったこ
とに対して、
時代が変化している感覚と、趣味の多様性と、景観の興味のみならずに水草自身に対
する興味ももってもらいたい思いが
募った授業初日であり、終えた直後の声が枯れるまでしゃべり続けた余韻がしばらく
尾を引く一日となった。

writer ライター
早坂 誠
「水辺の動植物」の販売・管理・展示を行う
有限会社エイチツー 代表
ビオトープ計画・施工管理士
愛玩動物飼養管理士
観賞魚飼育管理士
著書「水草水槽のススメ」
関心事:音楽と生きもの。自家製梅干し。サンマの塩焼き。