考察と実践

野原こみち|2018年8月1日

気温と湿度が高く、不快指数が放っておいてもぐんぐん上昇していく季節には、ぼんやりと窓の外を眺めていても感傷的にはなりづらく、そういう意味では陽気な物事の渦中にあえて身を置いてみたり、いっそクーラーを効かせた部屋で寝そべって過ごすなどの怠惰な休日を過ごしがち。つまり、切ない恋愛小説などとは相性が悪いような気がする、と。あくまでも私個人の主観です。

本に触れずには生活ができない性質なので、たとえ汗をかこうが、頁をめくろうとするような人間ですが、そう考えてみると真夏は雰囲気たっぷりの情緒的な小説よりも、どちらかというと学術書やノンフィクションを読んでいることの方が多い気がします。最近は、ジャンルと言ったらアート系というのでしょうか、パターンと人間の脳に関する研究の本を読んでいました。ゲシュタルト心理学という分類に入るものですが、人間の脳は対称性や規則性、シンボル化された単純なもの、つまりはパターンを好む傾向にあるのだそうです。

難しいことに順応しようとしていたら次第に限界を迎えてしまい、考えるのをやめて実践することにしました。実践と言ってもただパターンをかくことですが、パターン化した図案を非パターン化するという試み。矛盾しているようですが、このチェック柄ひとつとして同じ塗り方を同じ色でぬったものはないのです。似ている色でも絵の具とマジックを重ねてあったりと、我ながらよくわからないところにパワーをつかったものです。難しいことを考えても、このようなモザイク模様がかかって、肝心なところまで緻密に詰められない、というつまりはそういう愚痴みたいな日記であります。

writer ライター
野原こみち
熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。