わたしには、毎年梅を見に行く友だちが、います。
数年前、吉野梅郷 梅の公園を訪ねたのが最初で、
翌年からは梅の開花時期が近くなると、”いつにしましょうか”と話しはじめます。
私たち、樹木に強い関心があるとか、
梅の写真を撮りたいとかいう格別な思い入れがあるわけでもないのですが。
それでもしっかり、梅の花を眺め、寄せ集めのうんちくなどを呟きあいます。
先日、ほっこりしたことがありました。
家の通り沿いに桜の木が一本ありまして、その木の前に綺麗な身なりをした年配の女性が
「咲いてるわよ」と木の上の方を指差し、私に言いました。
その桜の木は梅の開花と同じ頃からひとつ二つと花が咲きます。
最近は毎日、開花を気にかけて通っていましたから、
おのずと会話が弾みました。するとその方が、
「桜が咲いた時ぐらい、知らない方に声をかけてもいいわよね」と。
思いがけないその言葉に一瞬戸惑いましたが、
私も共感できてうれしかったという気持ちを伝えました。
それは正直な気持ちで、今日花が咲いてなければ、話し掛けられることもなかっただろう。
そして、私自身は花が咲いたことを1人ほくそ笑んでおしまい。
こうして特別な記憶にはならなかったでしょう。
花を介して、ひと時でも感じたことを共有できたこと。
HAPPYだなと思います。
写真:東京都立川市 国営昭和記念公園の梅 2月11日
桜
writer ライター

こにし あい
さる年生まれ
ジョージア州→カリフォルニア→ミシガン、米国期間限定生活後
東京で暮らし。モスクワ→ふたたび東京
元料理研究家の嗅覚で、美味しいもの探す日々。
料理の感性を磨ける食べ歩きと、出会った味を再現するのが好き。
ジョージア州→カリフォルニア→ミシガン、米国期間限定生活後
東京で暮らし。モスクワ→ふたたび東京
元料理研究家の嗅覚で、美味しいもの探す日々。
料理の感性を磨ける食べ歩きと、出会った味を再現するのが好き。