光のような余白

野原こみち|2023年7月4日

ふと、余白に救われるときがある。
ここでいう余白とは、物と物との間だったり、言葉と言葉の間だったり、空間と空間のあいだだったりもする。
隅々まで、少しも隙間がないことがよしとされることも、もちろんあるのだけど(たとえばお弁当箱、宅配便の荷物などの運ばれるものなどはないほうがいい)、余白をつくることで快適にできるものも多い。
わたしにとっては自分の居場所にもついても適度な余白が必要で、思えば学生時代の教室などの空間はずっと居心地が悪かった。誰かと長時間同じ空間にいるなら適度な余白がほしい。
言葉と言葉をかわす時間にも、良い塩梅の余白がうまれることでリラックスできるような気がしている。 これは時に緊張感がある余白になることもあるので、一概には言えないかもしれない。
私は毎日日記を書いているが、胸がいっぱいになる出来事があった日は、無理してページを埋めようとせずに余白を残すことにしている。
ずっと情報にさらされている時代に、なにも情報が流れてこない時間をつくること。わたしにとってこれも大切な余白。
何もないスペースは、何もしていないわけではなく、まわりにあるものをくっきりと照らす役割をしていることもある。
大切な時間、重要な情報、そういうものにふれたあとは、余白をつくること。となりに余白を置くことで、まったく別のものに見えることもある。

writer ライター

野原こみち

野原こみち

熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。
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熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。
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