先月、六本木ヒルズ森タワー52階の東京シティビューで開催されている
「ヘザウイック・スタジオ展:共感する建築」に行ってきました。
” 建築展 ” と聞くとあまり接点がないなぁと思われるかもしれませんが、
身近に接する機会のある建築展でもあります。
というのも虎の門・麻布台再開発プロジェクトが現在行われていて、
誰もが一度は見聞きそして訪れるかもしれないからです。
この再開発では超高層ビルが3棟建設されます。
メインタワーの高さは330mであべのハルカスを抜いて日本一高いビルになるそうです。
高層階にはオフィス、ブランデッドレジデンスが入り、低層階には商業施設、ラグジュアリーホテル、
ミュージアム&アートギャラリーなどの文化施設や
インターナショナルスクールが入るなどとても大規模なプロジェクトです。
日本を含む世界一流の建築家、クリエイター、デザイナーがこの再開発に携わっているのですが、
低層部の建築とランドスケープデザインを手掛けたのが
「現代のレオナルド・ダビンチ」と称されているトーマス・ヘザウイック氏。
今回が日本で初めて手掛けるプロジェクトになるそうです。
ロンドンで活動しているヘザウイック・スタジオは
ロンドンオリンピックの聖火台から独創的な作品を世界中で数多く手掛けています。
イギリスではヴィクトリア朝時代に石炭輸送で建てられ一部廃墟と化していた施設をリノベーションした
「コール・ドロップス・ヤード」、歴史的価値を持つジンメーカーの
建造物を再生し進化させた「ボンベイ・サファイア蒸留所」。
ニューヨークに近年誕生した立体的な垂直公園「ベッセル」、
同じくニューヨーク・ハドソン川の水上に浮かぶ緑に覆われたユニークな公園「リトル・アイランド」、
こんな場所で仕事できたら楽しそう!と思わせてくれるカリフォルニアの「グーグル・ベイ・ビュー」。
無機質な建物に囲まれてるのにここだけ緑豊かな木の上に住んでいる?と錯覚してしまうような
上海の「サウザンド・ツリーズ」。
歴史的に貴重だけど使用済みとなった穀物サイロを壊すのではなく、
想像力や先端建築で蘇らせた南アフリカの「ツァイツ・アフリカ現代美術館」。
デザイン画、模型、そして出来上がった建造物の映像などを見ながら、
建築物の持つ記憶を大切にし敬意を払いながら最新の技術で新旧をまた自然と融合させ、
独創的で斬新だけど人にも環境にも優しい作品を作り出していると感じました。
低層階の敷地全体の3分の1ほどが緑化されますが、ヘザウイックの近未来的な曲線の建物が自然と調和し、
まるでジブリの世界のような空間に足を踏み入れることを考えるとワクワクしてきます。
コロナの影響や大型プロジェクトなこともあり、工期が本来の予定より遅れていることは懸念されますが、
室内展望台の展示会場から現在の工事風景を高層ビル側からですが見る事が出来る絶好のチャンスです。
デザインの背景や完成模型と見比べながら都市が造られていく立会人になるのも楽しいですね。
GWも後半です。
お天気が気になる所ですが、天候に左右されない天空鑑賞へのお出掛けもお勧めです♪
6月4日(日)まで開催中。