七十二候とは、古代の中国で考案された季節を表す方式のひとつ。二十四節気を、さらに3つにわけた期間のことで、気象の動きや動植物の変化を知らせる言葉になっています。
こちらのシリーズでは、古来から四季と共に生きてきた先人たちの知識を学びつつ、季節それぞれの変化に心を寄せていきたいと思います。
新暦ではおよそ4月30日から5月4日頃の時期になります。
牡丹の花が咲きだす頃。
はじめは薬草として中国から伝わった牡丹は、平安時代には宮廷や寺院などで観賞用として愛でられるようになったと言われています。
華やかに咲くその姿は、古くから和歌や詩歌の題材とされてきました。
牡丹に間違えられる花として「芍薬」がありますが、よく観察すると色々と
違いがあることに気づきます。
「立てば芍薬、座れば牡丹・・・」という言葉があるように、
咲いている様そのものが、この言葉の形容通りで、落葉した低木の幹から、新芽を出し花を咲かせる事から座った姿に見える牡丹に対して、芍薬は、季節になると地面からスッと伸びた茎の先に花が咲く事から立ち姿に見えます。また、葉の形も牡丹はギザギザとしているのに対して、芍薬のほうはギザギザがありません。
そして、多くの牡丹には香りがありませんが、芍薬はバラのようないい香りがします。