七十二候とは、古代の中国で考案された季節を表す方式のひとつ。二十四節気を、さらに3つにわけた期間のことで、気象の動きや動植物の変化を知らせる言葉になっています。
こちらのシリーズでは、古来から四季と共に生きてきた先人たちの知識を学びつつ、季節それぞれの変化に心を寄せていきたいと思います。
新暦ではおよそ4月20日から4月24日頃の時期になります。
「あしはじめてしょうず」と読みます。
水辺の植物である葦が芽吹き始める頃。
葦は、ぐんぐん生長し夏には背を伸ばし、秋になると金色の穂を風になびかせるようになります。そして、このころから本格的な春の陽気に「春眠暁を覚えず」という
漢詩の冒頭の言葉を思い浮かべる方も多いのでは?
せっかくので、冒頭以下も覚えてみるのもいいかもです。
春眠暁を覚えず 処処啼鳥を聞く 夜来風雨の声 花落つること知る多少
(しゅんみんあかつきをおぼえず しょしょていちょうをきく やらいふううのこえ はなおつることたしょう)
現代の言葉に置き換えると、
春はぐっすり眠れるものだから、夜が明けたのに気づかず寝過ごしてしまった。
あちらこちらから鳥の鳴き声が聞こえる。
昨晩は、風や雨の音がしていたが花はどれくらい落ちてしまっただろう。
だという内容のようです。