七十二候とは、古代の中国で考案された季節を表す方式のひとつ。二十四節気を、さらに3つにわけた期間のことで、気象の動きや動植物の変化を知らせる言葉になっています。
こちらのシリーズでは、古来から四季と共に生きてきた先人たちの知識を学びつつ、季節それぞれの変化に心を寄せていきたいと思います。
新暦ではおよそ11月2日から11月6日頃の時期になります。
もみじつたきなり、と読みます。
紅葉(もみじ)や蔦が色づく頃。
木々が織りなす色彩豊かな風景は、いくら眺めても見飽きない美しさで人々を魅了します。
昔から季節を形容する言葉がありますが、紅葉が美しく山を彩ることを「山粧う(やまよそおう)」と言い、春は新緑の緑と山桜の淡い薄桃色などが錦絵のように浮かび上がる様から「山笑う」。夏は青々とした緑とみずみずしさを表した「山滴る」。そして冬は、落葉し枯れた寂しさから「山眠る」とそれぞれの山の季節を捉え表したものです。日本人の持つ感性を表現した言葉、そして、心が豊かなになる言葉を大切にしたいものです。