秋のお彼岸を迎える頃、花の季節も夏から秋の種類へと変わってきます。
お月見を控え、秋の七草も出回る頃。
なんとなく物悲しいような季節、少しスモーキーな色の花や、色づき始めた木々の枝物、赤い実をつけた草木が目に止まります。
猛暑の夏を乗り切り、朝夕の涼しい風にほっとするこの時期に、和みの彩りを与えてくれる花たちにも、少し力を借りたいと思うこの頃です。
さて、今回のフラワーアレンジメントは、秋を代表するシンプルなお花を2つ選んでみました。ノケイトウの一種「ホルン」という品種のケイトウと、リンドウです。色はちょっとロマンティックなピンク系でまとめてみました。
そして、特集の器に合わせて、ちょっとニュアンスの違うピンクの花たちが映えるよう、さりげない色合いの益子焼の茶器を使ってみることにしました。
こんなアレンジメントをテーブルに置き、優しい秋の風をお部屋の中へ招いて、お茶の時間を楽しむなんていうのはいかがでしょう。
お花について:
「ホルン」は、切り花としても多く使われますが、ドライフラーとしても利用されています。形がかわいらしい子猫のしっぽのようで、先端の濃いピンクからだんだんに色が薄くなり、茎に近い部分は銀白色のツヤのある花穂です。そして、少し風にあたると子猫のしっぽと形容されるように、ゆらりと揺れる様がなんとも可愛らしいお花です。
それに合わせて、この時期の代表格の「リンドウ」。もともと山野草の代表的なものですが、今はいろんな色の花が栽培されていて、クールな和のイメージから華やかなフラワーアレンジメントにも用いられる花材のひとつになっています。また、リンドウには鑑賞用としてだけでなく、古くから根っこの部分が、胃腸を健康に保つための働きがある生薬として重宝されてきました。
<使用した花材・器>
花器:益子焼 茶器
花材:リンドウ・ケイトウ(ホルン)