日本には古くから、人生の節目や四季折々の季節ごとにその季節やコトに応じた「もの」を盛るという室礼(しつらい)の習慣があります。それはとても心が豊かになり、生活の中に潤いをもたらしてくれます。
新しい年を迎える室礼
お正月のしつらいと言えば、玄関や床の間に飾る鏡餅や千両や松を使った生け花、そして、盛り物として、クワイや梨など。
祝いの四品の勝栗・黒豆・コロ柿・五万米(田作り)。
吉運を願い家庭に呼ぶとも言われている柑橘類などがよく知られているスタンダードなしつらいのアイテムです。
それらはすべて意味があり、地方によっては多少違いはあるようですが清清しい気持ちで新しい年を迎えたい気持ちは皆さん一緒だと思います。
なかなか手に入らないモノではなく、身近な材料や素材などを使って、新年にふさわしい、少しあらたまった空間を演出してみませんか?
今回のしつらいのポイントは、紅白に的を絞りました。
晩秋から出回るダリアは、茎がまっすぐなので、そのままガラスの花器に生けても凛とした佇まいになり、扱いも楽です。茎の部分に大きな緑の葉をあしらうと、少しモダンに仕上がります。
そして、同じ空間には紅白の水引を使ってお正月飾りを作りました。
水引は丸めたり、少し多めに結わえるだけでもカタチになります。
手元を半紙や和紙でまとめ、アクセントとして松の枝や稲穂があれば、縁起物にふさわしい雰囲気になります。
さらに、水引でお祝いの時に使う「あわじ結び」をつくりポイントにすると一層華やかになり、晴れやかなお正月のお飾りになります。
他にもリボンや和装の小物などをあしらったり、身近なものを使った室礼(しつらい)で、新しい年をお迎えになってみてはいかがでしょう。
<使用した花材・素材など>
漆のお盆・ガラス花器
花: ダリア(赤・白)
谷わたり(アスプレニウム)
飾り: 稲穂 / 松の葉
水引(紙製) / 半紙