お茶とお茶請け

日本茶とお茶請けの関係

日本茶は人の心を和ませる特別なもの。息を詰めて仕事に集中したあとは、お茶を飲んで一息つくと、自然に心がほぐれるような気がします。そして、そんな美味しい日本茶には、やはり相性がよいお茶請けを添えたいものです。
今回の上品倶楽部は、そんな日本茶とお茶請けについて特集してみました。

日本茶とお茶請けの関係

 お茶を飲んで一息入れる。そんな風習がこの国には古くからあります。そして、一般の家庭でのお茶の時間に欠かせないのが、お茶の味をさらに引き立てる役目となる「お茶請け」。多くの人が、お茶請けというと和菓子などの甘いものを真っ先に思い浮かべると思いますが、お茶請けには決まりはありません。
 千利休の時代には、まだ砂糖が我が国に入ってくる以前だったせいか、お茶請けには、カヤ、栗、クモタコなどのさほど甘くはない木の実が添えられていたようです。現代でも、おせんべいなどは、甘いもの以外のお茶請けとして好まれています。
 お茶請けにはお茶の味を引き立てるだけではなく、他にも、からだに入った時に良い働きをします。
 日本茶は、茶カテキンやカフェインといった胃に刺激となる成分が含まれています。お茶請けを先に食べることで、これらの成分の働きを和らげ、胃の負担を少なくするといわれています。ただ、美味しいというだけではなく、日本茶にお茶請けを添えることは、体のためにも理にかなっているのです。

意外なお茶請けの発見

 日本茶と聞いて、すぐに思い浮かぶ和菓子やおせんべいももちろんお茶請けとして優秀ですが、せっかくなら、意外にも相性が良いお茶請けを発見したいものです。
 日本茶は様々な種類があり、また味わいもそれぞれ異なります。それぞれのお茶の風味の特性を理解して、あえて洋風のお茶請けとセットしてみるのもおもしろいですね。
 今回は、上品倶楽部編集部が見つけた、相性が良い日本茶とお茶請けのマッチングを、4パターンご紹介いたします。

お気に入りの茶器を見つけるというのも、お茶の時間を楽しく有意義に過ごすためのおすすめの方法。
使うだけで嬉しくなるお気に入りを見つけたいですね。


シーンによって選びたい 日本茶の種類

ひとくちに日本茶といっても、本当に様々な種類のお茶があります。また、産地や時期によっても、その味わいは微妙に異なり、日本茶の世界は奥が深いものです。ここでは、家庭で良く好まれるベーシックな6種類の特徴をご紹介します。


緑茶の中でも代表的なお茶。
茶葉を湯に浸して(煮出して)成分を抽出する「煎じ茶」のことを言う。


新芽が2~3枚開き始めた頃に、茶園をヨシズやワラで覆い、
日光をさえぎって育てたお茶。
渋みが少なく、旨みが豊富な味わい。


日本の緑茶の一種であるが、茶葉を焙じて飲用に供するもののことを指す。
独特の香ばしさと、口当たりはあっさり感が特徴。


てん茶を石臼あるいは微粉砕機で挽いたもの。
茶道のお点前のほか飲料、お菓子、アイスクリームの原料として使われる。


煎茶のように若葉ではなく成長した葉を原料とする。
地方によっては、ほうじ茶を番茶と言う場合もある。


番茶を強火で加熱したものと、
蒸してから炒って狐色になった玄米や爆ぜた玄米とを、
ほぼ同量ずつ混ぜたもの。


抹茶×チョコレート

 抹茶というと、高級な和菓子がカップリングされるのが一般的な組み合わせ。しかし、抹茶の濃厚な味わいは、洋菓子とも良く合います。
 ケーキやマカロン、シュークリーム、洋菓子といっても様々。そんな洋菓子の中でも、抹茶のお茶請けとして特におすすめは、チョコレートです。
 こんな風に並べてみると、とても意外な組み合わせに思えますが、考えてみれば抹茶味のチョコレートなどはたくさん市販されていますから、相性は元々良いものなのでしょう。

 上質なチョコレートを取り寄せて、こんなふうにお薄を点てる、というのも、普段とはちょっと違ったお茶の時間になりそう。来客の際におもてなしとして提供すれば、お客様にも喜ばれるかもしれません。
 ちょっぴり苦くて甘いチョコレートを少しずついただきながら、薫り高い抹茶も同時に楽しめば、頭を悩ませている難しい問題も、口の中で蕩けていくかもしれませんね。


ほうじ茶×チーズ

 ほうじ茶は、茶葉を強火で焙じて作る、香ばしさとすっきりとした味わいがあります。
 そのため色は茶色く、味は苦味成分のタンニンが飛んで、煎茶や番茶といった他のお茶に比べてあっさりと頂くことができます。刺激が少なく胃にやさしいので、食事中の飲み物として好まれることが多いお茶でもあります。

 そんな香ばしいほうじ茶と相性が良いお茶請けなのが、チーズです。特に、水分量が少ないハードタイプのチーズは相性が抜群。エメンタール、グリュイエール、チェダーチーズや、ミモレットなど、ハード系チーズの深いコクと旨味、ほうじ茶の香ばしさが、双方で引き立て合います。また、白カビ系チーズの代名詞的な存在、チーズ界の女王と言われるカマンベールチーズも、ほうじ茶と良く合います。

 チーズは、甘いものが苦手という方にも喜ばれるお茶請けです。数種類のチーズを少しずつ楽しみながら、ほうじ茶を頂くのも良いかもしれません。


煎茶×杏の紅茶漬け

 日本茶といえばまず最初に思い浮かべるのが煎茶ではないでしょうか。煎茶とは、緑茶の一種。緑茶はさまざまなお茶をまとめた呼び名を指しますが、煎茶は、日光を遮らずに栽培し、茶葉を蒸して揉みながら乾燥させたものを言います。
 煎茶は、ほど良い渋みと爽やかな香り、すっきりとしていて、ちょっと気分転換したいときなどにおすすめのお茶です。
 
 そんな煎茶に合うお茶請けとして選んだのは、あまり馴染みがないかもしれませんが、杏の紅茶漬けです。国産の杏が多く収穫される長野県では、一般の家庭でも作られることが多いというこのお茶請け。簡単に作ることが出来ます。
 まず、干しあんずを用意し、蓋のある瓶に入れます。そこに、お砂糖で甘めにしたストレートティーを注ぎ、冷蔵庫で半日から一日寝かせるだけ。干しあんずが紅茶をたっぷりと吸い込んで、ふっくらとしたら完成です。甘酸っぱいあんずが、煎茶のお供として、良いお茶請けになります。


玄米茶×お漬物

 玄米茶は、番茶と、煎った玄米をほぼ同量ずつ加えた緑茶の一種。マイルドな味わいで飲みやすく、茶葉に玄米が加わっているため、栄養価が高くカフェインが少ないのが特徴です。玄米茶に含まれるGABAには、コレステロールの増加を抑制する効能があり、生活習慣病の予防にも効果的であるとも言われています。

 そんな玄米茶とカップリングしたのは、お漬物。玄米はお米ですし、お漬物が相性が良いのは間違い無いですね。
 今回用意したお漬物は、大根とゆずの浅漬け、茄子の浅漬け、長芋の赤しそ漬け、セロリの浅漬けの4種類。めずらしい長芋の赤しそ漬けは、家庭で手作りすることもできる一品。一口大に切った長芋と、赤しそふりかけ、水、塩、砂糖、酢を合わせて、ビニール袋で寝かせれば簡単にできるお漬物です。
 茶葉のさっぱりとした渋みを感じつつも玄米の風味も楽しめるお茶に、あと引く美味しさのお漬物があれば和やかな一服の席の話も弾みそうですね。 


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