同じ空なのに

中館慶子|2020年11月4日

月を見るだけなのに。

都心にいて、その姿を即座に確認することは難しい。
高層ビルの谷間をすり抜け、地下に潜って移動し、
地上に出てもまた高層ビルや
細い路地にひしめく商店にさえぎられ。

ある日、友人が「月がキレイ」とLINEをくれた。
どれどれ。会社を後にし空を見上げてもどこにもいない。
徒歩と電車で、自宅から最寄りの駅まで。
外に出てもまだ見えない。
しばらく歩き、住宅街にさしかかったところで、ようやくご対面。
かかった時間、実に35分。

月を見るだけなのに。

育った田舎は、空を見上げるとどこでも月が見えた。
都会に住んでいると、空が狭いのが少し残念。

writer ライター

中館慶子

中館慶子

北海道生まれ。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。
writer ライター
中館慶子
北海道生まれ。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。
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