小さいけど大きなたのしみ

早坂 誠|2020年5月10日


長い間店内の隅に追いやられていた一輪挿しの小鳥。
このままでは日の目を見ないと思い事務所の窓辺の陳列棚へ。
しばらくして、それを見つけてくれたのはたまたま早朝に作業のために
店に行くのを同行した私の家族。
「これに水草を一輪挿しのように刺したら育つの?」
という問いかけに
「種類によるが、抽水葉であれば育つ」と説明。
「であれば、買うから、水草も入れておいて」
とのやり取りの結果、家の食卓に置かれることになった。

ここでもポイントは光と水。この中の水を毎日交換して、
食卓に取付てあるデスク用のLEDを当てておくこと。
たったそれだけの事。しかも切り花との大きな違いは、
もともとが水中生活を獲得している為、一時の鑑賞ではなく、
ここの空間で生育するということ。
案外普通に見えてながら素晴らしい適応能力だと思う。

今回はこの環境でも育つ可能性が高い水草3本を小鳥に刺して
置いてみたところ、一本は半日でしおれてたことも学びの一つ。
水中での育成が容易な水草であるが、切り口からの水草の
吸い上げが困難だったのかもしれない。

残りの二本は日々生長をしながら、水中に根を下ろし始め、
そのうちの一本は開花までしている。
こんな楽しみは、だれでもできるが、案外、
経験に裏付けされた知識があってこそだとも言える。

ほんのこれだけのことだが、忘れていた何かを得たような気がして、
きっかけを与えてくれた家族に感謝。

writer ライター
早坂 誠
「水辺の動植物」の販売・管理・展示を行う
有限会社エイチツー 代表
ビオトープ計画・施工管理士
愛玩動物飼養管理士
観賞魚飼育管理士
著書「水草水槽のススメ」
関心事:音楽と生きもの。自家製梅干し。サンマの塩焼き。