室蘭て、どのへん?
北海道室蘭市出身の私は
この回答を何十回と繰り返してきたことか。
両手で菱形もどきを作り、
函館がここだとすると、札幌がこのあたり、で、室蘭がここ。
初めてお会いするほとんどの方が挨拶がわりに
この質問を投げかけてくださるが、
本気で場所を覚えたいわけではないだろうし(ごめんなさい!)
いやー梅雨はもうあけたの?
ほうほう、くらいの薄い興味だと思うから
しばらくぶりに次にお会いしたときも
また両手で菱形を作って説明する。
さて、そんなことはどうでもいい。
何十年も都内に住んでいて、
その存在すら気づかなかった一件の小料理屋さん。
その名も「室蘭」。
室蘭ふるさと大使の私としては(嘘)
行かぬわけにはいかない。
古着屋さんの多い町で、創業40年。
長い歴史の重みにふさわしい外観ではあるが、
店内は手入れがきちんと行き届き、
おかあさんの接客も付かず離れずで心地よく、
何よりお料理がおいしく。
そして、店名の由来となった「室蘭」。
ご主人の出身地だということらしい。
滅多に会わぬ遠い親戚に対面したように。
うれしくもあり、なつかしくもあり、新鮮でもあり。
メニューのすべてが
室蘭や北海道に関係のあるものばかりではないが、
それでもまた来たい、と思うとてもいい小料理屋であった。
次はいつ行こうかな。
writer ライター

中館慶子
北海道生まれ。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。