自然のリズムと人生の節目

岡野伸行|2025年4月18日

今年は巳年、私は年男。
干支は十二年でひと巡り。
つまり、私はこれまでに十二年という時間を四度超え、いま五巡目の始まりに立っている。

十二年。

数字にすれば簡単なこの時間の単位は、実のところ、とても不思議で奥深い。
それは人の成長や社会の変化における一つの「節目」であると同時に、
自然界のリズムにも密接につながっているように思う。

月は満ちて欠け、海は潮の干満を繰り返す。
地球は太陽の周りを一周するのに一年かかり、その一年は春夏秋冬という四季の移ろいを伴っている。

そしてこの四季を十二に分けた暦こそが、私たちが日常に使う「月」であり、
十二という数字には、古代の人々が自然の呼吸を見つめた名残がある。

干支もまた、そうした自然のリズムに根差した知恵の一つ。
十二支は、それぞれの動物に象徴されながら、時間、方角、性質、そして運気の流れを表す。
それはまるで、自然界の「呼吸」に寄り添いながら生きるためのコンパスのようなもの。

私の人生も、当然ながら平坦ではなかった。
成功と失敗、歓びと後悔、出会いと別れ。そのすべてが、今の私を形作っている。
そして、何より大切だと感じるのは、
「浮き沈みがあっていいのだ」と受け入れられるようになったことだ。

若い頃は、「沈むこと」は失敗のように思えた。
けれど今は、それが人間の自然な姿であり、
成長するためのプロセスなのだと理解できるようになってきた。
むしろ「沈むこと」があるからこそ、「浮かぶ喜び」もある。
感情の波に身を任せながら、それでも前に進んでいける。
それが、干支が四巡した自分の強さなのかもしれない。

これから先、何度干支を迎えられるだろうか。この先の十二年がどんな季節になるかはわからない。
だが、自然のリズムに耳を澄ませながら、自分の歩幅で歩いていくことを、私は選びたい。

十二年は、ひとつの「季節」。
四季が巡るように、人生もまた巡る。
その流れの中で、私はいま、確かに生きている。自然とともに、時間とともに、自分とともに。

そして十二年後、どんな気持ちで迎えているか、楽しみだ。

writer ライター

岡野伸行

岡野伸行

1977年広島県生まれ。さかな検定2級
西中国山地の麓で育ち、魚釣りが日常にある幼少期を過ごす。
大学では水産学を学び、魚が日常にある生活を送る。
大学卒業後は釣り番組の制作会社で、釣り人が日常にいる日々を過ごす。
2023年に独立し、H.I.T. FILMSの屋号で活動開始。
商業的ではなく作家性のある釣りの映像作品を制作。
釣りを人生で一周し、現在は冒険的なフライフィッシングを好み、
釣り旅のことばかりを考える毎日を送る。
H.I.T. FILMS
https:/hitifilms.jp
writer ライター
岡野伸行
1977年広島県生まれ。さかな検定2級
西中国山地の麓で育ち、魚釣りが日常にある幼少期を過ごす。
大学では水産学を学び、魚が日常にある生活を送る。
大学卒業後は釣り番組の制作会社で、釣り人が日常にいる日々を過ごす。
2023年に独立し、H.I.T. FILMSの屋号で活動開始。
商業的ではなく作家性のある釣りの映像作品を制作。
釣りを人生で一周し、現在は冒険的なフライフィッシングを好み、
釣り旅のことばかりを考える毎日を送る。
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