釣りは人の心で繋ぐもの

岡野伸行|2024年12月28日

近年は情報過多の時代。
何かを始める際に、ネットをはじめとするメディアの情報だけで始められたりする。
それは私の趣味であり仕事の“釣り”もそうだ。
ただネットで得られるものはあくまでも“知識”であり、
そのまま自然の中に入っていくことは危険も孕んでいるものだ。

釣りは一人で楽しむもの。
その通りだと思う。
釣りは仲間がいるともっと楽しいもの。
それもまたそうだ。

昨今、釣り場でマナーやモラルについて揉めている場面を見ることがある。
それは多くの場合、違うスタイルの釣り方、ルアーとフライ、フライとエサ、時には同じスタイル同士だったりもする。
揉めている原因は何かというと、それぞれのエゴであり、
お互いが何をしようとしているの理解できないことに本質がある場合が多く、
結果的に一方が諦めて立ち去ることでその場に平穏が訪れる。
“全く違う価値観”は決して交わることがないのである。

そんなことが増えてきているのも、
ネットをはじめとしたメディアから一方的に情報を撮ることが当たり前になってきたころから
目立つようになってきたのではないかという気がしてならない。

かつてはもっと荒くれ者がいたのも事実であるが、釣り倶楽部というものがあり、
もっと小さなコミュニティでは師弟関係があった。
徒党を組むのが今の若者は苦手、と聞くことがあるが釣りをはじめとする“趣味”においては、
決して悪いことばかりではないと思う。
釣りの技術の向上だけが目的ではなく、その中ではマナーやモラルといったものもたくさん教わる。
私自身がそうだったから、自信を持っていえるのであるが違う価値観があることに当たり前ながら気付かされる。

釣り場は誰のものでなく、みんなでシェアしなければいけないところ。
法律はもちろん、その釣り場の管理者が定めたルールがなかったとしても、
お互いが気持ちよく遊ぶためには、互いの理解が必要だ。

過日、釣りの師弟関係を描いたドキュメンタリーを制作した。
楽しみ方は違えど、釣りを一生楽しむために大切なものはなにか。
釣りはサブカルチャーであると思っている。
今の時代、入り口は無機質な“知識”でもいいだろう。
そこから有機的な“体験”を経て、それを次代に繋げていく。
それは決して単一な楽しみ方を押し付けるのではなく、趣味と人生の向き合い方を見せてあげること。

釣り場はもっと夢と笑顔が溢れるべきだ。

H.I.T. FILMS フィッシングドキュメンタリ― “師弟”

writer ライター

岡野伸行

岡野伸行

1977年広島県生まれ。さかな検定2級
西中国山地の麓で育ち、魚釣りが日常にある幼少期を過ごす。
大学では水産学を学び、魚が日常にある生活を送る。
大学卒業後は釣り番組の制作会社で、釣り人が日常にいる日々を過ごす。
2023年に独立し、H.I.T. FILMSの屋号で活動開始。
商業的ではなく作家性のある釣りの映像作品を制作。
釣りを人生で一周し、現在は冒険的なフライフィッシングを好み、
釣り旅のことばかりを考える毎日を送る。
H.I.T. FILMS
https:/hitifilms.jp
writer ライター
岡野伸行
1977年広島県生まれ。さかな検定2級
西中国山地の麓で育ち、魚釣りが日常にある幼少期を過ごす。
大学では水産学を学び、魚が日常にある生活を送る。
大学卒業後は釣り番組の制作会社で、釣り人が日常にいる日々を過ごす。
2023年に独立し、H.I.T. FILMSの屋号で活動開始。
商業的ではなく作家性のある釣りの映像作品を制作。
釣りを人生で一周し、現在は冒険的なフライフィッシングを好み、
釣り旅のことばかりを考える毎日を送る。
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