過日、広島で中学生時代の同窓会があった。
仕事と兼ねての広島にトンボ帰りの帰省。
スケジュール的にはタイトだったが有意義な時間だった。
私の中学校は広島市の中山間地域にあり、
広島都心のベッドダウンとして1970年代に多くの団地が造成され、
そこから集まる生徒たちが歴史の中で最も多かった世代だった。
各地で廃校などの声が聞かれるが、団地の2世、3世もいることから
廃校には至らず学校が残っているだけでも嬉しいものだ。
卒業後30年の時が流れてから再会したかつての中学生。
故郷を離れ広島そのものが物理的に遠くにある私にとって、とてもいい時間だった。
“故郷は遠きにありて 思ふもの”という言葉がある。
“遠き”の解釈は一般的には物理的な距離とするものだろうが、
時間的な”遠き”という解釈もできるだろう。記憶の遥か向こうにある思い出。それまた故郷だ。
中学の同窓会だから当たり前ではあるが、初めて共に酒を呑んだ仲間も多かった。
人格が形成され、社会性を学び始めた頃の人間関係は、経年劣化しない特別なものであると感じた。
これが高校にもなると、好き嫌いや偏見めいたものが人間関係をギクシャクさせはじめる。
“中二病”とは言い得て妙だ。中学生とは無敵の存在なのかもしれない。
同窓会の数時間、30年前にタイムスリップし、時間的な”遠き”は埋められた。
しかし帰りの新幹線では、物理的な距離がセンチメンタルな気持ちにさせた。
また会える日まで、みんな元気で。
writer ライター
岡野伸行
1977年広島県生まれ。さかな検定2級
西中国山地の麓で育ち、魚釣りが日常にある幼少期を過ごす。
大学では水産学を学び、魚が日常にある生活を送る。
大学卒業後は釣り番組の制作会社で、釣り人が日常にいる日々を過ごす。
2023年に独立し、H.I.T. FILMSの屋号で活動開始。
商業的ではなく作家性のある釣りの映像作品を制作。
釣りを人生で一周し、現在は冒険的なフライフィッシングを好み、
釣り旅のことばかりを考える毎日を送る。
H.I.T. FILMS
https:/hitifilms.jp
西中国山地の麓で育ち、魚釣りが日常にある幼少期を過ごす。
大学では水産学を学び、魚が日常にある生活を送る。
大学卒業後は釣り番組の制作会社で、釣り人が日常にいる日々を過ごす。
2023年に独立し、H.I.T. FILMSの屋号で活動開始。
商業的ではなく作家性のある釣りの映像作品を制作。
釣りを人生で一周し、現在は冒険的なフライフィッシングを好み、
釣り旅のことばかりを考える毎日を送る。
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