桜といえばソメイヨシノがごくごく一般的ではありますが、
ソメイヨシノより3週間ほど早く咲くオカメザクラってご存知ですか?
中国南部、台湾原産のカンヒザクラとフジザクラとの交配種で、
イギリスの育成家コリングウッド・イングラムが世に出したものと言われています。
イングラムといえば日本を三度訪問し、桜の穂木を持ち帰ってケント州の自宅で育成し、
日本の桜をイギリス中に広めた、いわば桜オタクの方。
明治維新後に近代化の波にのまれて、「新生日本」の象徴としてソメイヨシノが増産され、
多くの品種が見向きもされなくなりつつあるなか、
日本へ足を運び、消えゆく貴重な桜をイギリスに持ち帰って保存したという、
桜に対して深い愛情と情熱を持った育成家なのです。
そのイングラムさんが交配し、太鼓判を押すオカメザクラですが、
フジザクラの繊細さとカンヒザクラの紅色、早咲きの性質を見事に受け継ぎ、
この時期になると小輪ながら見事な花をつけます。
また特質すべきは病害虫に強いこと。
桜といえば病害虫がはびこるイメージがありますが、
これまでいろいろな庭に植えてきて困ったことはほとんどありません。
また生育スピードも緩やかでメンテナンスがとても楽なのも魅力です。
庭を設けるにも厳しい都市部の空きスペースにも対応できるこの桜、
これから人気が出そうな予感がしています。
writer ライター
Granscape 大石剛正
佐賀県生まれ
1級造園施工管理技師、グランスケープ(有)代表
大学で環境科学を学び、文部技官として地質・地震学の研究を経て、再び大学院にて陸水学を修める。その後環境アセスメント調査会社で屋久島をはじめ日本全国をフィールドワークで廻る。
ランドスケープの世界に入り、それまでの経験を生かし自然さを大切にした
数々の庭園デザインと施工を行う。
Granscape ホームページ
http://www.granscape.com/
1級造園施工管理技師、グランスケープ(有)代表
大学で環境科学を学び、文部技官として地質・地震学の研究を経て、再び大学院にて陸水学を修める。その後環境アセスメント調査会社で屋久島をはじめ日本全国をフィールドワークで廻る。
ランドスケープの世界に入り、それまでの経験を生かし自然さを大切にした
数々の庭園デザインと施工を行う。
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