急ぎ足でやってくる季節

野原こみち|2023年9月27日

このところ、急激な気温の変化がある日が多いせいか、少し体調にも影響がでている。
昨日まで真夏のような日差しがさしていたのに、次の日には冬の匂いがするような風が吹いたり。
季節は緩やかに移りゆくことを忘れて、急に走り出したかの様子。

慌ただしい日常と溢れかえる情報と人混みの喧騒に疲れたときは、ノートとペンだけを持って公園に出かける。
木々や土の香りを感じながら、思いついた散文を書き留めたり、拾った葉っぱの葉脈を描いてみたり、そんな意味もないようなことに集中する。
後々振り返ってみると、そんな意味もないことをしていた時間が、豊かに時を過ごしていた記憶のような気がする。
季節は急ぎ足で過ぎていくのかもしれないけれど、そのなかの時間をどう過ごすかは、私の采配。
目の前でゆらり落ちていく木葉の行方を見守るのも、水面に煌めく夕暮れの光を記憶に止めるのも、過ぎゆく季節の「今」を目にする最高の贅沢。

writer ライター

野原こみち

野原こみち

熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。
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熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。
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