最近、関東周辺の低い山を散歩する機会が増え、
先週の週末も犬を連れて3時間ほど軽くトレッキングしました。
太平洋側の丘陵〜低山地帯には、その穏やかな気候から多くの植物が分布していますが、
今回目についたのはカンアオイ。そう、徳川家の御紋のモチーフになったあの植物の仲間です。
林道脇の草むらに、ちらほら地面を覆っている個体を目にしますが
そのバリエーションの豊かなこと!
花はお世辞にも綺麗とは言えませんが、
葉の模様は同じ種とは思えないほど変化に富んでいて美しい!
まるで交配した植物のようです。
少し調べたところ、このあたりに分布する種は
「オトメカンアオイ」と呼ばれる種とのこと。
そしてまた、カンアオイの仲間は日本の植物多様性を代表する種らしく、
2020年に超並列DNAシーケンシングによる巨大データを利用した新しい遺伝子解析法により
「カンアオイ類」の進化・多様化の道筋を、解明したようです。
要は、それまで花や葉の形状、模様などの形態で分類していたものを、
DNAのレベルで分類したとのこと。すばらしい!!
カンアオイは古くから一万年に数kmしか移動しないと言われてきたようで、
その非常に低い分散能力が地域固有種の進化に関与することが裏付けられたとあります。
葉の色は綺麗だけではじまったカンアオイ、
なかなか奥が深くて驚いたのと同時に、
この地味な植物の生態を掘り下げる科学者の方々の熱意にも驚きました。
writer ライター
Granscape 大石剛正
佐賀県生まれ
1級造園施工管理技師、グランスケープ(有)代表
大学で環境科学を学び、文部技官として地質・地震学の研究を経て、再び大学院にて陸水学を修める。その後環境アセスメント調査会社で屋久島をはじめ日本全国をフィールドワークで廻る。
ランドスケープの世界に入り、それまでの経験を生かし自然さを大切にした
数々の庭園デザインと施工を行う。
Granscape ホームページ
http://www.granscape.com/
1級造園施工管理技師、グランスケープ(有)代表
大学で環境科学を学び、文部技官として地質・地震学の研究を経て、再び大学院にて陸水学を修める。その後環境アセスメント調査会社で屋久島をはじめ日本全国をフィールドワークで廻る。
ランドスケープの世界に入り、それまでの経験を生かし自然さを大切にした
数々の庭園デザインと施工を行う。
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