f植物園の巣穴/梨木香歩

こみちの本棚 3冊目

梨木香歩さんの小説といえば、
たまたまわたしが読んでいたのは「西の魔女が死んだ」や「裏庭」などの、
わりと少女的でファンタジック寄りの小説だけだったので
(その2作ももちろん好きな作品ですが)
そういう感じの作品を書く人という勝手な思い込みをしていました。

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この「f植物園の巣穴」は、ひさしぶりに手にとった梨木香歩作品でしたが、
前述した2作とはまるで雰囲気が異なりました。
おなじ小説家の方が書いたんですか?と言いたくなるくらい違いました。
どんな話か、わたしのフィルターを通して簡単に説明すると、
ある男性が自分の記憶の穴の中に転がり落ちて幻惑的世界からでられなくなる…そんな感じです。
(※あくまでわたしの主観でございます)
最初から最後まで、梅雨時期のしっとりとした空気の中、
苔むした森の中をさまよっているような、
それで途中からは霧がかかって先が全く見えなくなってしまうのに、
なぜか森林浴をしているように心地よく感じるような、そんな不思議な感覚がしました。
読書をしていてその本に入り込み、
その物語の空気を体感しているよう錯覚するのは
、本が好きでよかったなあ、と感じる一瞬です。

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