素数たちの孤独/パオロ・ジョルダーノ

こみちの本棚 2冊目

ときどき、冷静に自分の好みを分析してみることがあるのですが、
恋愛を描いた小説や映画は、あるキーワードがあると、
自分の心の琴線に引っかかることに気がつきました。

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そのキーワードというのが「孤独」です。

わたしという人間は、物理的、精神的どちらでも、
ある種の孤独を抱えている人の恋愛に対して、
とても心を動かす傾向にあるようです。
そういうわたしの独自の好みの話は置いておいても、
この小説はほんとうに素晴らしいのですが、
タイトルにもあるように「孤独」ということが強いテーマになっていて、
そのテーマ性を、とても切なく、美しい文体で綴っています。

二人の主人公が、青春時代に互いに孤独を抱えながらも心を通わせるシーンは、
ほんとうに素敵で、大好きです。
主人公の一人は、数学の天才なので、数学にまつわる様々な知識が、
わたしのように数学が苦手な非理系人間にも、わかりやすくちりばめてあります。

これは相当数学のことをわかっている人じゃないと、こんな文章は書けないよね…と、思ったら、
著者の方は素粒子物理学の博士なのだそうです。
しかも処女作でこの「素数たちの孤独」を書いて、いきなりベストセラーになったという…。
超理系の人が、文章でもこんな美しい表現をできるなんて、
天に二物も三物も与えられる人っていうのはいるものなんですね。

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