七十二候とは、古代の中国で考案された季節を表す方式のひとつ。二十四節気を、さらに3つにわけた期間のことで、気象の動きや動植物の変化を知らせる言葉になっています。
こちらのシリーズでは、古来から四季と共に生きてきた先人たちの知識を学びつつ、季節それぞれの変化に心を寄せていきたいと思います。
新暦ではおよそ7月28日から8月1日頃の時期になります。蒸し暑い熱気に溢れる頃合いで、八月を間近にした晩夏。昔の人は、打ち水や風鈴などで、耐えがたい暑さを少しでもしのぐ工夫をしました。溽暑(じゅくしょ)とは、湿気が多く蒸し暑いことを言い、陰暦6月の別称にもなっています。
先人の知恵と並んで、現代にも残したい夏の風物詩に「蛍狩り」があります。
ちょうど、この時期に夏休みで田舎へ帰省する人も多いことと思いますが、美しい日本の里山などには今も蛍が生息し
夜の闇のなか幻想的な風景を演出してくれています。残さなければならない日本の原風景のひとつです。
また、この時期に咲く「ホタルブクロ」という細長い袋状の薄紫の花がありますが、これはその昔、子供たちが蛍をその中に入れて
遊んでいたとか。