七十二候とは、古代の中国で考案された季節を表す方式のひとつ。二十四節気を、さらに3つにわけた期間のことで、気象の動きや動植物の変化を知らせる言葉になっています。
こちらのシリーズでは、古来から四季と共に生きてきた先人たちの知識を学びつつ、季節それぞれの変化に心を寄せていきたいと思います。
新暦ではおよそ7月22日から7月27日頃の時期になります。桐が、梢高く実を結び始める頃合い。
桐は、古代中国では瑞鳥(鳳凰)が棲むと信じられていた高貴な木で、古くから家紋などの意匠に取り入れられてきました。その花も高いところに咲くため、あまり目にすることもありませんが、初夏に薄紫色の花を咲かせます。
さて、暑さが本格的になるこの時期に覚えて起きたい言葉のひとつに「三尺寝・さんじゃくね」があります。
これは、大工・左官など職人の昼寝のことで、三尺ほどの狭い場所で寝るからとも言われています。日の陰が三尺ほど動く間だけ寝るからともいう説もあり、簡潔に言うと、夏に仮眠をとること。夏は寝不足や暑さによる食欲不振などで体調がすぐれないことが多いので、それを回復させるため、体調を維持するために昼寝をするということなのでしょう。
確かにお昼ご飯のあとの仮眠は現代医学従事者からも提唱されていることです。