七十二候とは、古代の中国で考案された季節を表す方式のひとつ。二十四節気を、さらに3つにわけた期間のことで、気象の動きや動植物の変化を知らせる言葉になっています。
こちらのシリーズでは、古来から四季と共に生きてきた先人たちの知識を学びつつ、季節それぞれの変化に心を寄せていきたいと思います。
6月末から7月はじめにかけてのこの時期は、この日本では一年でもっとも雨が降る時期とのこと。
菖蒲とはあやめのこと。あやめが花を咲かせる頃を古くは梅雨到来の目安としていたそうです。
古くから着物も夏至を迎える頃が、夏ものへと衣替えをするタイミングだそうです。
着物の夏ものとは、単衣(ひとえ)~薄物。
単衣とは、裏地のついていない、透けない生地を1枚で仕立てた着物のことです。
単衣に仕立てた着物の中でもとくに薄く透けているものを「薄物」と言います。その生地の種類は
絽や紗(しゃ)、麻(上布 -じょうふ)、絹紅梅(きぬこうばい)などが代表的なものです、
どれも通気性が良いばかりではなく、見た目にもとても涼やかです。