七十二候とは、古代の中国で考案された季節を表す方式のひとつ。二十四節気を、さらに3つにわけた期間のことで、気象の動きや動植物の変化を知らせる言葉になっています。
こちらのシリーズでは、古来から四季と共に生きてきた先人たちの知識を学びつつ、季節それぞれの変化に心を寄せていきたいと思います。
新暦ではおよそ4月4日から4月8日頃の時期になります。
つばめが南からやってくる頃です。
玄鳥 (げんちょう)とはつばめの異名で黒色の鳥を意味します。
日本では、つばめが巣をかけるとその家に良いことが起こると言い伝えられ、大切にされてきました。
この時期の市場には初鰹があがってきます。
江戸中期の俳人・山口素堂作の「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」は皆さんよくご存じだと思います。
昔から、初物は縁起がよいとされていることや、
初鰹を食べると長生きできるなどの言い伝えも残っているほどです。
松尾芭蕉も「鎌倉を生きて出でけむ初鰹」という俳句を詠んでいます。