皆さんは、「スノーシューイング」という、冬のレジャー(スポーツ)をご存知ですか?
簡単に言うと、雪国に昔からある「かんじき」の現代版、この道具(スノーシュー)を履いて雪の上を歩く事です。
最近では、多くの愛好家が増えているそうです。
今回の「散歩に行こう」は、草花や樹木を愛でる散歩とは一味ちがう、冬のこの時期しか
味わえない雪上散歩「スノーシューイング」を一泊二日の予定で楽しんで来ましたのでご覧下さい。
ただし、ちょっと思いついて簡単に行けるという訳には行きません。冬山と同様の装備や服装も必要になりますので、充分な予備知識とエキスパートの同行をお奨めします。
一路銀世界へ・・・
まだ、夜が明けきれない早朝の中央高速道をひたすら長野へ向かう途中
微かに雪化粧した富士山が前方に現れました。気持ちはもう、一面の銀世界へ・・・
蓼科山の麓で足ならし・・・
初日の目的地、蓼科山登山口に到着。さっそく軽くストレッチで体をならしてスノーシューを履きます。途中でブレイクする時のお茶やワイン・お昼ごはんの食材・行動食、着替えや、休憩時の寒さ対策用ダウンジャケットなどを詰め込んだザックを背負って、いざ!
新雪・深雪キュッ!キュッ!
駐車場にはさほど積もっていなかった雪が、歩き出したとたんにズボッ!っと50cmは足が埋もれてしまう程の深雪。しかもサラサラの新雪、パウダースノーです!
誰の足跡もないまっさらの雪道を、自分の足跡を残しながら踏みしめられるなんて、本当に感動ものです。
銀世界に映える大木と赤い実・・・
蓼科山は「しらびそ」と「しらかば」が多く見られます。
一面の銀世界を歩いていくと、目の前に白樺の大木が現れました。その姿は青空をバックに一枚の絵のよう・・・
それとは対象的に、とてもかわいらしい赤い実をつけている木がありました。
これは、夏には白い花を咲かせ秋には燃えるような赤い色に紅葉する「ナナカマド」です。
赤い色を見つけたのは、このナナカマドの実が最初で最後でした。
ホット一息・・・
雪上散歩でのお楽しみ、コーヒーブレイクならぬ、ホットワインブレイク!
ちょっと、歩き疲れたので、ここでブレイク。でも、いくらお天気でもちょっと休憩していると体が冷えてきます。そんな時にはこのホットワインがお奨め!
用意した赤ワインにお砂糖・オレンジの皮・シナモンスティック・クローブ・カルダモンなどのスパイスを入れコッフェル(お鍋)で沸かします。
冷たくなった手足まで暖まりますよ。
アニマルトラッキング・・・
雪山での楽しみのひとつに、アニマルトラッキングがあります。
これは、雪の上に残る動物の足跡を探検するというものです。
夜に巣穴から出て、食べ物を探しに出たうさぎの足跡、それを追いかけるきつねの足跡
その他、かもしかやオコジョ、たぬき、りすなど。
特に前夜に多く雪が降った次の朝には多く見ることが出来るそうです。
今回も、いたるところにうさぎやきつねなどの足跡を見つけることが出来ました。
残念ですが、早朝じゃなかった為足跡だけで、その姿を見る事は出来ませんでした。
本気のスノーシューイング・・・
前日に、しっかりとウォーミングアップをしたので、今日は本気のスノーシューイングを楽しむ為、北八ヶ岳の横岳ロープーウェイを使って麦草峠へのコースを歩く事にしました。
天候は晴れ、視界は良好、しかし気温はなんと、マイナス17℃!
しかし、寒さもどこかへ吹っ飛んで行く様な素晴らしい景色に、気持ちは高鳴ります。
自然が作り出す造形美にはただ、ただ感動です。
これからクリスマス・・・
木立の中を歩いていると、素敵なクリスマスツリーを見つけました。
雪やつららのオーナメントを施した、とってもオシャレでナチュラルなツリーです。
これからクリスマスを楽しんじゃいたくなりました。
簡単お鍋と・・・
スノーシューイングでのランチタイムはとにかく、簡単・温か!それから、ゴミも最小限になるもの。と、言うわけで今回のメニューは地元のスーパーでゲットした鳥なべセット。
だしも食材も全て入っていたので、これをコッフェルに移してバーナーでグツグツ・・・出来上がる前に少しビールでも・・・とカップにビールを注ぐとあっという間にビールの泡がシャーベットになってしまいました。ならば、ワインとチーズで出来上がりを待ちましょう!
お鍋も出来上がり、心も体も暖まって、本当に幸せな気分!
(くれぐれも、休憩中のウエアの調整にはご注意を・・・)
他にも楽しみいっぱい・・・
今回の「雪上散歩」は、いつもの「散歩に行こう」とは志向を変えてちょっと
足を伸ばし、道具を使ってのお散歩になりました。しかし、
だからこそ出会えた雄大な白銀の世界で息づく植物や、雪や風が創り出す芸術、野生動物たちの昼夜営まれているドラマの形跡など。
また、山の中だけではなく、湖畔や田んぼのあぜ道などにもスノーシューを履いて散歩が出来るポイントがあります。
この季節にしか味わえない「雪上散歩」。機会がありましたら是非一度お出かけになりませんか?