念入りに計画をした「旅行」とまではいかないけれど、その時の気分や季節で場所を選び、自分の感性のまま出かけ、歩く。
そこでの出会いを楽しみ、心を縛るものからの開放感を味わう。
そんな小さな旅のあれこれをご紹介します。
東京都 日野市
最寄駅:京王線 百草園駅下車
今回の「大人の気まま旅」は、そろそろ見ごろを迎える梅の花と落ち着いた雰囲気に浸りたくなり、都心からのアクセスのいい
京王百草園とその周辺のエリアを散策することにしました。
新宿から京王線の特急と各駅停車を乗り継ぎ、約40分程度で最寄り駅の「百草園駅」へ到着です。
改札口を出ると、百草園の案内ポスターが見えてきます。ここから徒歩約10分なので、そんなに歩かなくていいようです。
街道沿いからすぐに住宅地へ入り、ゆるやかな坂道を登って行きます。
とはいえ、ずっと坂道なのでスニーカーで来て正解でした!
途中に「あと一息」という案内看板が・・・この意味はこのあとよくわかりました。
なかなかの急こう配が続きます。
これは、ペースを落としてゆっくり歩かなければかなり堪えます。
しかし、この坂道も長く続くものではないですからご安心ください。ただ、日ごろ足腰を鍛えてない方はちょっと辛いかもです。
さ、いよいよ到着まじかのようです。
あたりからは、梅の香りが漂っていました。坂道の途中、道路脇の百草園の敷地には梅の花が綺麗に咲いていました。
急こう配で息が上がったところで、百草園入口に到着です!
入口から少し階段を上って園内へ。
梅の花は見ごろを迎えて咲いている木と、まだこれからという木が混在しているので、長い期間楽しめそうです。
順路に沿って歩いているととてもいい香りがしています。こちら「蝋梅」でした。少し枯れ始めていましたが、それでもいい香りが立ち込めています。
それでは、園内を回遊して行きましょう。
青空に美しい梅の花が輝いて見えます。
ここで、百草園についてご説明します。(京王百草園HP抜粋)
侘びさびを体現する庵、趣き深い日本庭園、四季折々の草花。
和の世界観に触れれば、不思議と心が落ち着きます。
日常を脱ぎ捨てて、美しく静かな世界へ誘ってくれる、和の心を今に伝えるそれが京王百草園です。
江戸時代の享保年間(1716年~)、小田原城主大久保候の室であった
寿昌院慈岳元長尼が徳川家康の長男・信康追悼のため当地に松連寺を再建しました。
その後、時代を経て作られたのが京王百草園です。
園内の有名な「寿昌梅(じゅしょうばい)」は寿昌院自ら植樹したと伝えられています。
梅の開花の季節には約50種500本の梅たちが咲き競い、園の華やかさも最高潮に達します。
豊かな自然を残す多摩丘陵。
その一角に佇むのが京王百草園です。園内の見晴台からは付近の自然が楽しめるほか、
晴天であれば新宿新都心、東京スカイツリー、そして松連庵前広場からは筑波山も望めます。
また野鳥も多く、春はウグイス、初夏はホトトギスの声もよく耳にします。
当地は江戸近郊の名所として「江戸名所図会」などにも紹介され、
徳冨蘆花、大田南畝、田山花袋、北村透谷、若山牧水らが訪れています。
特に若山牧水はこの地で恋人小枝子との失恋を歌にし、「独り歌へる」をつくりました。
また園内には牧水の長男・旅人氏設計の歌碑、松尾芭蕉の句碑も木々の緑の中に佇んでいます。
百草園のご説明のあとは
この日、目にした梅以外の草花や園内の各所について
梅に負けず劣らずのいい香りを放つ「水仙」も見ごろでした。
今の時期にあやめ?と一瞬目を疑いましたが、こちらは冬に咲く「寒咲アヤメ」の花でした。
黄色や白、ピンクの花たちの中で、ひときわ目を引く存在です。
各所に設けられている東屋。
今の時期は冬枯れで寂しい雰囲気の心字池。温かくなると水辺の植物が咲き水鳥も飛来してくるのでしょう。
今の時期に見かける事が出来る鳥たちも。
見晴台からは富士山の姿が拝めます。
竹林やこんな散策ルートも。
お休み処です。
京王百草園では、2月20日(木)から3月9日(日)まで、
つるし飾り ひなの会・室礼研究会ゆずり葉主催による「雛の国見せと曲水の宴」をテーマに、
物語のある雛人形を飾り展示しております。
つるし雛は江戸時代に始まったと言われています。女の子の健やかな成長と幸せを願って、願いを込めた飾りを展示しました。
現在の梅の開花状況は、寿昌梅やレンキュウ等も日に日に開花しており、梅の甘く淡い香りと華やかな雛人形をご観覧されてはいかがでしょうか。
*HPより抜粋
さて、お目当ての梅を愛でながら百草園をゆっくりと楽しんだので、そろそろ周辺の散策コースを歩いてみようかと。
この周辺には起伏に富んだ自然豊かな散策コースがあります。
暫く歩くと、手打ちそばのお店が。
残念ながらこの日歩いた時間帯はお店はやっていませんでした。
別の季節にリベンジしたい思います。
散策コースから駅に向かって歩いていると、なんと牛の姿が。
こちらは、「モグサファーム」さんです。
モグサファームは東京都日野市で唯一の酪農家さんだという事です。
直営店の「アルティジャーノ・ジェラテリア」では、搾りたてで低温殺菌された新鮮な牛乳と、
地元の果物や野菜を素材につくられるジェラートが大人気。やはり温かくなったらまた来なくては。。
百草園は四季折々季節ごとに、たくさんの花と緑で私たちを楽しませてくれる場所。また、日本の美しい侘びさびの世界感を味わえるというのも魅力的です。この日は思ったより観光客や来園者が少なかったせいかゆったりと園内を歩き、楽しむ事が出来ました。これから春になり季節が進むにつれ、色んな花が咲き始めるでしょう。ちょっと思い立って訪れるにはお勧めです。運動を兼ねた散策も楽しめますよ。
東京都日野市
京王百草園HP:
https://www.keio-mogusaen.jp/
アクセス:
京王線百草園下車徒歩10分
または、聖蹟桜ヶ丘駅・高幡不動駅からタクシー10分