尾崎放哉全句集

こみちの本棚 15冊目

本を読む時間が、なかなかまとまってとれないときにおすすめの本があります。
それは、短歌や俳句などの和歌の本です。
書店などにはそれらのジャンルは“詩歌”と書かれた棚にありますね。

私は忙しくて時間が取れないときや、考え事を多くしなければいけないとき、詩歌の本を手にとることが多いです。
なぜ、そんなときに詩歌が良いかというと、パッと開いたページの目についたひとつの俳句や短歌の描いた世界に、すぐに没入できるからです。
もし小説が“映画”と例えるならば、短歌や俳句は“写真”になるでしょうか。
一瞬でその世界に入っていける、そして何度も何度も、その短い単語のつらなりを噛み締めて、頭の中に想像する。
たとえば、料理をする前に、短歌集を開いて目についたひとつの短歌を、料理をしながら何度も反芻して、情景や、その歌を詠った人の心境を想像したり…。なんだか心がザワザワして寝付けない、だけど、小説を読んでいてもなかなか集中できない夜に、短歌や俳句を数首ながめていると、静かな情景をゆっくり想像しているとすんなり眠りにつけたりします。

などとえらそうな詩歌の勧めをしましたが、わたしも詩歌に本格的に触れ始めたのは、ここ2年くらいの間です。
俳句も短歌も、なんかルールの中できちんとしすぎていてつまらないし…。などと、とんでもない思い違いをしていたものです。
それが違うということに気が付き、詩歌のジャンルをもっと知りたいと思うきっかけになったのは、かの「自由律俳句」でした。
「自由律俳句」とは、通常俳句は五七五が定形ですが、文字数にしばられないその名の通り自由な文体の句。
そのジャンルで最も有名な歌人は種田山頭火でしょうか。
しかし、わたしが夢中になってしまったのは「尾崎放哉」でした。

いくつか紹介するとこんな歌があります。

ー心 を ま と め る 鉛 筆 と が ら すー

ーか ま き り ば た り と 落 ち て 斧 を 忘 れ ずー

ーあ く ま で き た な き 牛 が ま な こ を 見 張 れ るー

もはや自由すぎてこれは俳句なのか…と思う作品もありますが、その自由さが私がどうしようもなく心を惹かれたところでもあります。自由でありたいと願うあまり、わたしは自由なものや人に惹かれる傾向が強いです。
この自由律俳句をきっかけに、たった数文字の中に多彩な情景を表現する、日本古来の芸術「短歌」や「俳句」を、もっと知りたいと思ったのでした。目下、勉強中でございます。

俳句や短歌はあまり興味はない、教科書でお目見えした以来だな…という方、ぜひ一度「自由律俳句」の世界に触れてみてください。世界が変わるかもしれませんよ。

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