平日/石田千

こみちの本棚 6冊目

今現在ご存命のエッセイストの中で好きな方をあげよ、と言われたら、
石田千さんの名前を真っ先に口にすると思います。

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わたしは、同じ本を2回連続で読みきるということがほとんどないのですが(読みたい本が多すぎて…)
この本は、思わず2回連続して読んでしまいました。
まず、石田さんはお使いになる言葉が、ほんとうに素晴らしい。
的確に、簡潔に、そしてはっとするほど美しい表現をされます。
この「平日」は、平日の東京の情景を、
様々な視点から描いたエッセイのような、短編集のような1冊です。
上野。大手町。早稲田。吉祥寺。はとバスで都内をぐるりと一周。
自分も東京に住んでいるのに、白地に黒い文字だけの、
この本の中にある東京のほうが、より色鮮やかで生き生きとしているように思えます。
頭の中のどのメーターをいじったら、こんな素晴らしい東京を描写できるのでしょう。
1ページずつ食べていったら、この本のような圧倒的な表現力が身につくのだったら、
迷わず食べてしまうかもしれません。
まだまだ、何度も繰り返し読みたいので、食べませんけどね。

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