節分の節句と室礼

節分の節句

節分の節句と室礼
雪は寒さ(陰)の象徴、赤は厄除けの色 鬼の苦手な炒り豆、柊(ヒイラギ)めざし

節分の節句

2月4日は二十四節季の「立春」にあたり、文字通り春の始まりをさします。春告げ花の梅が咲きはじめ、空気は冷たくともふんわり春の香りが感じる頃。旧暦のお正月はこの「立春」から始まるので「新年」と「新春」が結びつくのです。「立春」の前日2月3日は「節分」行事が行われます。元旦の大晦日のように、一年の穢れを祓い、清々しく新しい都市を迎える日とされています。
「節分」の日には、年の邪気を祓って新しい都市を迎える「豆まき」が行われます。邪気の象徴である「鬼」は隠れて姿の現さないものとして「隠(おに)」とも書くそうです。「豆」は「魔滅(まめ)」に通じ、豆を「煎る」は「射る」に語呂を合わせているとか。さて、節分の日に退治する恐ろしい鬼、なぜあんな格好をしているのでしょう?
一説によりますと、ウシとトラが混ざった架空の生き物だそうです。2月は丑寅(うしとら)の方角に位置し「鬼門」とも呼ばれ縁起が悪いとされます。鬼の角はウシ(丑)の角、鬼の牙はトラ(寅)の歯、それにパンツはトラ(寅)柄ですね。母の実家がある秋田県では、節分の日に鬼の姿をした「なまはげ」が各家を廻る厄払い行事が行われます。私も子供のころに体験したことがありますが、雪が積もる寒い夜に土足で家に入ってくる「なまはげ」が恐ろしかったこと恐ろしかったこと。
節分の日の行事食として「炒り豆」を食べるという風習がございます。豆は升に入れ神棚に奉り、夜になると神棚からおろし奥の部屋から順に「福は内」と言いながら豆まきをします。最後に玄関で外に向かって「鬼は外」と言ってすぐに戸を閉めます。夕食後には家族が銘々自分の年の分だけ豆を数えていただきます。これは新年にかけての「年とり」の行事に由来するもの。また「福茶」などいただく習慣もあります。
節分の日、昔はどこの家からも子供の元気な豆まきの声が聞こえ、お父さんも張り切って鬼を演じたものです。現在の生活にも、日本の年中行事が活き活きと存在しています。行事の意味を知り、ご家族そろって日本の季節を楽しみましょう。
(文・室例/すずきあき)

節分の節句と室礼
枡をふたつにし、ますます福があるようにと祈願。鬼=隠(おに)は文字通り隠れています。

節分の節句と室礼

<節分の福茶>湯飲み茶碗に炒り豆、塩昆布、梅干しを入れ、ほうじ茶を注ぐ飲み物(向かって左)
<かざり豆>三方、墨で×と書いた半紙、炒り豆、鰹節(向かって右)

素材提供:歳時あそびの会
「歳時あそびの会」は行事にこめられた意味を知り、ふだんの生活の中で日本の四季折々の季節感を愉しめる会です。ワークショップを通じて、四季折々のものを飾ったり、味わったり、作ったりします。不定期の開催となりますが、どなたでも気軽にご参加いただけます。
http://blog.livedoor.jp/saijiasobi/

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