春に似合う、美しい和菓子たち。
日本の四季折々の情景を美しく表現し、限られた時期にしか出逢えない季節の和菓子。
ひとつひとつ丁寧に、趣向を凝らしてつくられる和菓子は“食べられる芸術品”と言っても良いかもしれません。
日一日と春めくこの時に、冬を乗り越えて咲く数々の花々を思い浮かべながら、春色の和菓子を楽しんでみるのはいかがでしょうか。
今回は、これまで和菓子歳時記にて、素晴らしい和菓子をつくっていただいてきたゆり屋さんに、春の和菓子4点をつくっていただきました。
ゆり屋の春の和菓子
桜餅
桜色に染めた道明寺粉を練り上げ、小豆餡を包み、桜葉のほんのりとした塩気が優しい春に欠かせない定番の桜餅。
桜餅 について
春の季語としても知られている桜餅。関東と関西で材料や製法が異なり、雛菓子のひとつでもあります。
桜の葉は塩漬けされることで香りがあがり、中につつんだ餅の乾燥を防ぎ、しっとりと柔かな口当たりを保つ役割も持っています。
紅桜
きんとん製
春盛りの桜の華やかさを思わせる紅色と白色のきんとん製
白餡を包み柔らかな口当たりの一品。
きんとん について
お正月のおせち料理として知られているきんとん。
きんとんは「金団」と書き、「金色の団子」もしくは「金色の布団」という意味があります。
黄金色を、金塊や小判などに見立て、金運上昇を願う料理になったといわれています。
春灯
練り切り製
三色の練り切り餡で、白餡を包み、小さくほんわりと灯る、風の中のぼんぼりの様な愛らしい練り切り。
練り切り について
練り切り(ねりきり)とは、白あんに求肥や山芋などを混ぜて練り上げた上生菓子。
季節の草花や果実、干支などを表現した色とりどりの形が表現されます。
お茶席やおもてなしなどで振る舞われる、美しい和菓子です。
春霞
琥珀糖
花びらが風に舞い、桜色の濃淡が空を覆う霞に見立てた琥珀糖は、外のシャリ感と中の柔らかさを併せ持つ干菓子。
琥珀糖 について
琥珀糖は、江戸時代から伝わる伝統的な和菓子です。
寒天と砂糖を煮溶かして乾燥させた和菓子で、宝石のような見た目が特徴。
近年、SNSなどで「食べる宝石」と呼ばれる大人気のお菓子となりました。
和菓子制作:ゆり屋
自然素材のやさしい味の和菓子を手づくりしています。
ちょっと小ぶりで甘さ控え目ですので、日本茶だけでなく、コーヒーやワインと共にも召し上がって頂けます。
Instagram@giglitano