お正月が近づくと、野菜売り場に並びはじめる野菜のひとつに「ゆり根」があります。
なんとなく京野菜?と思っている方も少なくないかもしれませんが、ほとんどが北海道産で、「京都の伝統野菜」には含まれていないとか。
さて、ゆり根は昔から食用や薬用として用いられていましたが、お正月の野菜というイメージが強いのは事実です。お正月料理に取り入れられた理由としては、
鱗茎が花びらのように重なり合っていることから「歳を重ねる」、または「和合(仲が良いこと)」に通じるなど、吉祥の象徴とも言われています。そして、薬効に優れていると言われ、現在でも「無病息災」を祈って食されることから、年の初めにいただくおせちには欠かせない食材になっているのかもしれません。
おせちでは、きんとんや含め煮など甘いお料理が代表的ですが、実は、お酒のおつまみに合うお料理にも使える野菜のひとつです。
加熱したゆり根をクリームチーズや明太子と合えたり、ガーリックオイルで炒めたり。
手軽で、ちょっとおしゃれなおつまみになるので、ぜひ試してみてはいかがでしょう。
また、ゆり根は栄養価が高くカリウムを多く含んでいるので高血圧の予防や、筋肉の収縮をスムーズにする働きを助けたり、腎臓に溜まりやすい老廃物の排泄を促す働きもあると言われています。
そして、薬用としての働きは古くから滋養強壮、利尿、咳どめ、のほか、精神を安定させ、イライラを解消するなどの鎮静作用として珍重されてきたという歴史があることも語り継がれています。
今が旬のゆり根です。お正月のハレの食卓や、お酒を楽しむ時などにぜひ使ってみてはいかがでしょう。