春花園BONSAI美術館を訪ねて

江戸建物探訪

 

東京都は江戸川区、JR総武線小岩駅からバスに乗り新中川を越えた住宅街に、春花園BONSAI美術館はあります。
盆栽は、ひとつ一つの作品それぞれから、自然の美しさと厳しさを感じることのできる優れた美術品です。四季折々色々な表情を見せてくれる日本が誇る芸術として、世界中でも注目されています。今回上品倶楽部は、海外からも注目される盆栽の世界に触れるため、春花園BONSAI美術館を訪れました。

 

春花園BONSAI美術館とは
都内でも隠れ家的な雰囲気を持つ美術館のひとつともいえる春花園BONSAI美術館は、日本盆栽作風展にて内閣総理大臣賞を四度受賞されている盆栽作家、小林國雄さんが、私財を投じて作り上げられました。小林さんは、日本のみならず、海外からの弟子育成にも尽力しており、200人以上の国風展入選者を育てられています。
「盆栽の素晴らしさを世界に広めたい」そんな小林さんの直向きな盆栽への思いから、国内外の多くの盆栽ファンに親しまれる美術館です。

盆栽作家、小林國雄さん

美しい床の間と庭園
盆栽が主役の美術館ですが、建物は伝統的な日本家屋で、盆栽が映える格式の高さをうかがわせる内装で、その建物自体にもとても魅力があります。

盆栽は日本文化の特徴的な美術品でありインテリアのひとつです。日本家屋の「床の間」に収まることで、その存在価値がさらに高められることを、この美術館の日本間に入って感じることができます。

床の間は掛け軸・置物・盆栽の3つの要素で構成されており、季節ごとにそれぞれの組み合わせは変わってきます。
こちらに展示される美術品すべては小林氏ご本人が長年にわたって収集されてきたものです。
その美術品と盆栽を作り、育て、飾ることで床の間の姿が完成されています。
季節を感じ、五感に響く設えの中に来館者自身が身を置くことで精神が癒され、本当の意味での「おもてなし」を感じる事が出来る空間です。

また、朱色の雅な橋が掛かる池には、色鮮やかな錦鯉の姿が見え、その向こうには端正に手入れをされた盆栽が飾られています。約800坪もある美術館の敷地内には、およそ1000本の盆栽が展示されているそうです。中には、一億円を超える値のつく盆栽も存在します。

 

近隣の小学校での盆栽教室での思い
小林さんが毎年行っている地元の小学校での盆栽教室では、子供たちに盆栽の手解きをしているそうです。現代社会に生きる子供達に、日本文化の素晴らしさを理解してもらう事はもちろん、まずは盆栽を通して命の大切さを学んでほしいというのが小林さんの願いなのだそうです。
小さな苗を一人一人に渡し、育てる経験の中で、枯れて初めて分かる命の尊さを感じ、学んでほしいと仰います。

 

小林さんが考える盆栽とは
小林氏いわく、盆栽とは、「命の表現」だと仰いました。
そのことを考えてみると、自然界では、枯れた木の枝にひとつの植物の種が落ち、そこから新たな芽が出て育っていく。
脇から新たに出てくる新芽もそのひとつ。
まさに「生と死」。
そして、そこに日本の美意識の表現としての「わびさび」が加わることで、日本文化の代表格ともいえる存在として位置づけられているのではないでしょうか。


茶道・着物体験も
海外からの来訪者も多いという春花園BONSAI美術館では、盆栽はもちろん、茶道や着物体験など、日本文化を体験できる催しが実施されています。(※各体験ごとに有料)詳しくはホームページをご覧ください。


『無常の芸術ー盆栽』上映中
映像作家・上野千蔵氏による小林國雄氏の盆栽作品と高野山真言宗前官静慈圓住職のインタビュー映像『無常の芸術-盆栽』を巨大スクリーンにて上映中。盆栽を鑑賞しながら、大自然が持つ奥深い命の神秘を体感できます。
会場:東京国際クルーズターミナル2階展示スペース内
住所:〒135-0064東京都江東区青海二丁目地先
入場時間:9:00〜17:00
*上映期間など詳細は下記特設サイトにてご覧ください。
https://cruise-terminal.culture-gate.jp/

 

春花園BONSAI美術館から上品倶楽部読者の皆さまへ
品格を重んじられる読者のみなさまにこの記事を通じて春花園BONSAI美術館を知っていただく事、大変光栄に思います。
当館の盆栽はホームセンターでは見かけることのできないような日本の総合芸術を結集した床間に盆栽を飾っております。お時間許すようでしたら是非美術館へ脚をお運び下さい。

 

編集後記
盆栽と聞くと、ちょっと敷居が高いイメージを持つ一方で、日本人なら盆栽の事をきちんと見て、どういうものかを知りたいと思っていたのですが、
今回、春花園BONSAI美術館を訪れ、その思いが叶いました。しかも、都内でこれだけの盆栽の世界に触れ、そして盆栽のある景色(設え)の中に身を置けるというなんとも贅沢な時間。このところの疲れがスーっと癒され、心が豊かになりました。四季を通して違う景色を見せてくれる盆栽を愛でにお出かけになってはいかがでしょう?

 

「春花園BONSAI美術館」の入場券を2枚一組5名様へプレゼントいたします。
詳しくはプレゼントのページをご覧ください。


春花園BONSAI美術館

<アクセス>
・JR総武線小岩駅南口下車  京成バス76番より乗車京葉口下車
・都営新宿線瑞江駅下車  京成バス76番より乗車京葉口下車

所在地: 〒132-0001 東京都江戸川区新堀1-29-16
Tel.03-3670-8622
営業時間 10時-17時

WEBサイト: http://www.kunio-kobayashi.com/index.html
Facebook: https://www.facebook.com/Shunkaenbonsai/

 

 

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