今回、上品倶楽部では、カゴ特集を企画しました。
カゴは伝統文化である着物との相性も良いはずと思い、着物研究家のシーラ・クリフさんにインタビューしてみました。
イギリスのカゴ
私の生まれ育ったイギリスで、カゴは非常に実用的なアイテムです。生活の中にたくさんカゴがありました。その多くが柳の木から作られていました。
小さい頃、母と買い物の時、籠の中に新聞紙一枚を敷いて、野菜、パン、たまごなど、そのままカゴに入れました。籠が丸くて、強いハンドルがあったことを思い出します。冷蔵庫に入れない野菜、芋、玉ねぎなどはカゴに入れてありました。
また、暖炉のための薪は、矩形のカゴに入れて保存してありました。花を採りに行くときは、平らたいカゴ。洗濯物入れは、大きく深いもの。ピクニックのカゴは、まるでスーツケースみたいに大きなものでした。全て丈夫で使いやすく実用的な美しさがあるカゴでした。
日本のカゴ、そして着物
カゴには様々な形、素材、色があります。希少な材料だったり、細かい細工の物は値段も高いですが、リーズナブルなカゴもたくさんあります。私は着物を着るとき、気楽な気持ちで時々カゴを使います。自然の素材は着物に合いますし、軽くて、柔らかくて、ちょっとしか荷物がないときは小さなカゴがとても便利です。
カゴは、自然の色ですので、特に明るい色の着物、紬の着物とか、夏の朝、木綿などにふさわしいと思います。中に風呂敷を入れたりして、アクセントにすることもできますね。
これから夏にかけて、浴衣と籠の組み合わせはいかがでしょうか?素敵なファッションポイントになると思います。
Profile
シーラ・クリフ(Sheila Cliffe)
@kimonosheila
1961年英国生まれ。リーズ大学大学院博士課程修了、十文字学園女子大学教授。30年以上前に初来日し、着物の虜となる。著書に、『The Social Life of Kimono』(Bloomsbury)、『Sheila Kimono Style』(東海教育研究所) ほか。