和菓子の四季の中でも春は、色合いも佇まいも一番華やかな季節で、小さなお菓子は、日々の暮らしに彩を添えて心を和ませてくれます。
春ならではの行事の一つに、奈良東大寺二月堂の「修二会」があります。長い冬篭りから目覚める様に三月一日から十四日まで行われる春の行事です。期間中、「花ごしらえ」といって、紅白の和紙で作った椿が本尊に供華されます。春を呼ぶ椿の造花に見立てたお菓子が、この時期だけ和菓子屋の店先に並びます。その期間だけに作られる、一年に一度だけのお菓子。現在は、何でも豊富に揃っていて、旬のものという感覚が薄れてきているような気が致しますが、和菓子は四季の移り変わり、暦に沿って、ずっと変わらず作り続けられているものが沢山あります。また、地域によって作り方が違っていたり、呼び名が変わったりと様々です。そんな謂れをちょっと紐解ときながら、味わってみては如何でしょうか。
今回のお菓子
「良弁椿」練り切り製
紅白の練り切り餡の花びらで
可愛らしい椿に見立てた三月のお菓子
和菓子製作:ゆり屋
自然素材のやさしい味の和菓子を手づくりしています。
ちょっと小ぶりで甘さ控え目ですので、日本茶だけでなく、コーヒーやワインと共にも召し上がって頂けます。
http://www.yuriya-gigli.jp