大人のミニカー

HONDA NSX

昨年の世界自動車販売は、VWが1074万台で首位、1060万台のルノー・日産・三菱連合、そしてトヨタが1038万台と続く。販売台数は企業経営の根幹だ。ホンダは世界販売こそ3社のはるか後塵ではあるが、国内販売においてこの1月もNーBOXが車種別販売台数1位、先日発表された決算も過去最高益とすこぶる好調で、安定的な経営が進む。しかしながら、昔のHONDAを知る人にとっては、NーBOXも安定的な経営も魅力はない。日本特有の軽自動車マーケットにおいて、NーBOXがその存在に異彩を放っているわけでなく、他の車種においても、社名を聞いてもそのフォルムが思い出されないほど、存在感がない。個性が見えなくなってしまった。もちろんコスト削減やEV化、自動化の流れの中、没個性はいたしかたないことと理解する。

そんなホンダにあって唯一、昨年発売された2代目NSXだけは、ファンの心をくすぐる。なんといっても2370万という初代NSXの約3倍の価格。しかもれっきとした販売目標台数1000台(世界)を掲げる量産車種。エンジンユニットは3.5LV型6気筒ミッドシップ、さらにスーパーカー初のハイブリットシステムを搭載する。こんな車の登場に久々驚いた。自動車評論家の間では、酷評されているらしいが、そんなことはどうでもよい。いや、酷評されてこそ、HONDA。私にとって、HONDAに期待することは「興奮」。感動なんてなまっちょろい。誰もが購入できる軽自動車を次から次へと出す一方、こうして庶民には決して手の届かない商品をこれぞとばかりに出す、いわば裏切り。これぞ私が期待するHONDA。これでいいのだ。

創業者本田宗一郎の哲学や「業界の暴れん坊」と言われた80年代のHONDAの商品作りやチャレンジングな経営思想、我々はいつまでも夢をみたい。

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