豊洲エリアからは、大江戸線月島駅から2駅の清澄白河駅下車して徒歩7分ほど。自転車だと20分ほどの距離にある深川図書館。歴史、文化エリアに位置する図書館だけに、外観もそして館内もとても情緒的で趣があります。昨年オープンし、本誌9号でご紹介した近代的な豊洲図書館とは対照的です。今回はこの深川図書館の保谷館長と山崎次長にお話を伺いました。
100年の歴史
深川図書館の歴史は古く、初代はまだ今の東京都が東京市だった1909年(明治42年)に開設されました。100年以上も前のことです。当時、東京には帝国図書館(現・国立国会図書館)、私立大橋図書館(現・三康図書館)、日比谷図書館しかなく、深川図書館は、東京市立の図書館としては日比谷図書館に次ぐ二番目の図書館だったわけです。その後、関東大震災や戦争時の空襲によって被災を受けました。現在の建物は1993年開設の3代目となります。本館は洋風の外観や館内の階段、天井など、過去の建物のデザインイメージを継承した建築となっております。(建築は、二代目のものを一部再現したり、再利用もしています。)館内でぜひその歴史をご覧になってください。なお、当館の歴史をまとめた「深川図書館100年のあゆみ」という蔵書もございます。こちらもぜひご覧になってください。
館内の階段とレトロな雰囲気の照明
蔵書数は区内2番目
区内10館にある区立図書館の中では、蔵書20万冊と江東図書館に次ぐ2番目の蔵書数です。また年間約34万人の皆様にご利用頂いております。他の図書館にはない、当館の特徴は、15000冊の郷土資料を所蔵し、郷土資料室をもっていることです。これは当館の100年の歴史故の賜物の部屋だと思います。
深川周辺だけでなく、東京全体の歴史を知ることもできます。区内都内の方に留まらず、都外から来館されるお客さまも少なくありません。
深川図書館内観
郷土資料室内
児童への読み聞かせ出張サービス
江東区立図書館では、現在157名の読み聞かせボランティアの登録者の方がいらっしゃいます。深川図書館内でおこなってきた児童から小学生を対象とした「おはなし会」が発展し、今では区内の保険相談所や保育所、キッズグラブに出張し活動しています。このようなこども読書活動の拠点である当館は、2007年に文部科学大臣より表彰を受けました。まさに、ボランティアの皆様のおかげです。
注目の清澄エリア
そもそもこのエリアは以前から美術館やギャラリーも多く、「アートの街」として知られていますが、最近は話題のカフェも多く、都内屈指のカフェ激戦区になっています。(笑)すぐ隣には、三菱財閥創始者岩崎弥太郎の所有だった清澄庭園があり、ツツジやサツキは必見です。少し歩きますが、都立現代美術館も近くにあり、清澄庭園からの散歩は最高です。
当館目的だけでなく、どうぞ休日にこのエリアを散策され、深川の歴史文化とモダンアートの世界をご堪能ください。
最後に
当館やこのエリアは豊洲からは程よい散歩コースであり探索コースかと思います。どうぞ、建物をご覧になるだけでもかまいません。気軽にお立ち寄りください。
※江東区の図書館ネットワークサービスの一環として、借りた本は区内どこの図書館で返却しても構わないサービスがあります。すなわち、豊洲図書館で借りて深川図書館で返却することが可能です。どうぞ、ご利用ください。
右から保谷館長・山﨑次長
編集後記
取材で伺ったとき、先ずその外観に驚きました。その後、館内を案内して頂きながら、へえーと感動することばかりでした。さすが、場所がら歴史と文化を感じる図書館でした。2020年の東京五輪に向け、今やこの地域は人気スポットとなってます。歴史観光のついでに立ち寄るだけでも楽しめます。気持ちの良いこの季節、散策がてらにどうぞ。
深川図書館
〒135-0024 東京都江東区清澄3-3-39 地図
TEL 03-3641-0062
休館日:毎週月曜日、毎月第1金曜日(1・5月除く)
最寄バス停:「平野一丁目」徒歩約3分/最寄駅:半蔵門線・大江戸線「清澄白河」駅 徒歩約7分