暑い季節になると、カゴバックが大活躍するようになりますね。ナチュラルで自然な素材感は、おうちにインテリアとして置いていても木材を使った家具とも馴染み、ついついたくさん集めてしまうという方も多いのではないでしょうか。
今回の上品倶楽部では、そんな魅力いっぱいのカゴを多く取り扱う問屋でもある松野屋さんにご協力いただき、特集することにしました。
カゴのある生活。
カゴは世界中の様々な地域で、それぞれの編み方や素材を使って生産されてきた歴史がある実用的な道具です。ヨーロッパでは、古い歴史を持つ伝統的なカゴが多く存在し、庭仕事用のガーデントラッグやピクニック用のバスケットなど、生活の中で活躍するカゴの種類も多彩。アジアでは、制作される地域ごとに違いはありますが、その国で多く採取され、またカゴの素材としてのメリットが多い植物を使って、作られてきている背景は共通しています。我が国日本でも、カゴ文化は古くから存在します。もともと農業の道具入れや収納など、「暮らしの道具」として、農作業のひと段落した冬場などに、制作されていた経緯があります。素材や編み方など、それぞれの産地ごとに違いがあり、そのひとつひとつが手先の器用な日本人ならでは美しさがある伝統工芸品です。 その土地土地の自然素材を活かしたものづくりは、時代を経た現在まで、人々に愛され続けています。
暮らしに寄り添ったカゴを選ぶ。
現在では、国内で生産されたものから海外で生産されたものまで、本当に多種多様なカゴが手に入ります。編み方、素材も千差万別で、たくさんのカゴを取り扱うお店に行ったら、自分がどんなカゴを選ぶべきかわからなくなってしまうこともあるのではないでしょうか。一番は、見た目や質感が好みなものを選ぶことだと思いますが、自分の暮らしをよく思い描いてみるといいかもしれません。お出かけ好きな人は、ワードローブを思い描きながら自分の服装に合うカゴバックを見つけるのも良いですね。セカンドバックにするなら折畳めるものを選ぶなど、自分の暮らしと照らし合わせて考えると、きっと相性の良いカゴに出会えると思います。
カゴの素材も編み方も千差万別。自分が使いたい用途によって、ぴったりと合うカゴを見つけるのも楽しみの一つ。もちろん、見ためで気に入ったものを手に入れて、大事に使いながら、経年で変化をしていく姿を楽しむことも良いと思います。
心を込めてモノづくりをする 日本の作り手たち
それぞれのカゴの産地に目を向けてみると、その地域それぞれに、生産方法などに違いがあります。
カゴ好きにとってはとても人気が高いあけびのカゴは、産地のひとつに青森県があります。
青森県のあけび細工は幕末期にこの地に湯治に来た浪士達が村人に伝えたと言われています。
材料は、地元のミツバあけびで、その年に生えたつるのみを夏から秋にかけて採取します。
その後、一、二年の間に乾燥させ、編む前に一日から二日程、水につけ、柔らかくしてから編み始めます。
編み方もいろいろで、波編、元禄編、アジロ編など、全部で30種類以上あります。
また、明治、大正、昭和と日本の生活用品として蕎麦ざる、行李、台所用品などで重宝された岩手の篠竹かごは、台所用品など日本全国に篠竹もしくは鈴竹と呼ばれる山間部に自生している熊笹に似た細い竹で編まれています。作り方は、表皮を剥き、節を取り、縦に四つに割り、中の肉を取り除き編んでいきます。あまり道具を使わず、指先のみできれいに編み込んで、美しい買物かごを仕上げています。現在も昔ながらに作られています。
すべての民芸・工芸品に対してあてはまることではありますが、伝統的に受け継がれてきた技術が、後継者が減っていき生産現場の存続が危ぶまれていくのは、悲しむべきことだと感じます。
この作り手の素晴らしい技術が後世に伝えていけるように、一人でも多くの担い手が増えていくよう、切に願っています。
カゴの種類と用途
様々な形や、素材があるカゴ。それぞれ、用途にあった使い方があります。
お出かけ用カゴバッグ
持ち手がついたバッグとして扱いやすいように作られたカゴ。マルシェバッグ、あけびの買い物カゴなど、種類も豊富です。たっぷり入る買い物用、ちょっとしたおでかけや浴衣に合わせる小物入れなど、用途によって異なるサイズを持っていると便利。
目隠し・収納用インテリアカゴ
主にお家の中で、収納として役に立つ種類のカゴ。使いたい場所に合わせて、素材や大きさを変えると良いかもしれません。インテリアとしては、自然素材のものが多いので、木目のある家具などとは相性が良く、しっくりと落ち着いた雰囲気になります。
外出・家双方で兼用で使える
ある程度の強度があって、丈夫な素材だと、インテリアとしても、外出用でも兼用で使えるものもあります。便利な使い道としておすすめなのは、買い物用のカゴに、ペットボトルやプラスチックトレーなどを保管して、買い物ときについでに出してくれば一石二鳥で便利。
型押しぐるり マルシェショルダーM
たっぷり入って使い勝手がいいマルシェバック。こちらは持ち手が長く、肩にかけて持ち運べる便利な作りになっています。お買い物が楽しくなりそう。
価格:6,000円(税抜)
モロッコ製
いぐさ買い物カゴ 大
畳の原材料となるい草を使って編まれたカゴバック。丈夫な素材ですが、適度な柔軟性もあるので、インテリアとしてもお買い物バッグとしても活躍しそうな一品です。
価格:13,000円(税抜)
日本製(岡山県)
あけび胴張手提カゴ
カゴ好きの憧れでもあるあけびのカゴ。材料のあけびの蔓は、年々採れる量が減っていて貴重な素材。使い込むほどに色に深みが増していくので、長く付き合い育てていく楽しみがあるカゴです。
価格:29,000円(税抜)
日本製(青森県)
パームインテリアバスケット
六角形の幾何学模様が美しいデザインのバスケット。家に置いてあるとパッと目を引くような存在感があります。衣類や食品、植物の鉢カバーなど様々な用途に利用できそうです。
価格:
Lサイズ11,000円(税抜)
Sサイズ5,500円(税抜)
インドネシア製
籐三ツ編カゴ
長野県北部で作られている民芸品の藤のかごバッグ。ちょっとしたおでかけに便利なサイズです。
価格:6,200円(税抜)
日本製(長野県)
ストローカゴ革手M
縦の編み目がキュートなストローカゴ。藁と言っても少し厚みのある素材で丈夫です。革の持ち手は持ちやすく、手に負担が掛かりづらくなっていることも嬉しいデザイン。
価格:4,200円(税抜)
モロッコ製
ラタン脱衣カゴ
お風呂屋さんの脱衣カゴを思い出す懐かしいカゴ。しっかり固めの素材なので、タオルや衣類などと相性が良さそうです。
価格:5,000円(税抜)
インドネシア製
ラフィア×サイザルマクラメバッグ中
ラフィアとは、ラフィア椰子の葉から採れる天然繊維。似た素材のサイザルと編み込んで独特の風合い。柔らかい素材で、折りたたむ事もできますので、サブバッグにもできます。
価格:7,900円(税抜)
マダガスカル製
ニッパやしトレイ Mサイズ・Lサイズ
南の島のバカンスを連想させるニッパやしのトレイ。フルーツや焼き菓子をおけばそれだけで絵になりそう。放射状の編み目が魅力的。
価格:Lサイズ2,900円(税抜)
Mサイズ1,900円(税抜)
タイ製
松野屋
松野屋は1945年創業、現在は自然素材を中心とした生活道具をあつかう荒物問屋。荒物とは、ほうき、ちりとり、ざるなど、簡単なつくりの日用品のこと。松野屋では、国内やアジアの町に直接足をはこび、町工場や閑散期の農家などで作られる日用品などを仕入れると同時に、生産者とともに今の時代のニーズにあったオリジナル商品を開発してきた企業です。荒物は民藝と同じように人の手が生み出す日用品。それは、普通の人びとの日常の暮らしに根差した「民衆的手工業」から生まれる日用の道具たちです。人として暮らしを営むなかで、長い年月をかけて培われてきた手工業製品には、買いやすい値段で、良い仕事をするものが多くあります。日常に使いやすく「ベストでもベターでもない、ナイスなものづくり」から生まれる暮らしの道具たちとの出会いが、人々の生活を豊かに彩ってくれます。
谷中 松野屋
一般のお客様はJR日暮里駅近く松野屋直営店舗「谷中松野屋」へお越し下さい。松野屋のほぼ全ての商品を取り扱っております。ご希望の商品のある方はご来店の前に、店舗へ在庫状況をお問い合わせ下さい。また、お電話やメールによるご注文も賜っております。
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