80年代、初めてパリに出張して、出会ったリネンは、
シワになりやすくアイロンをかけてパリッと着るのが正統だった日本の「亜麻」とは違い
タフタフした渋くて艶のない「フラックスリネン」でした。
パリ・マレーのセレクトショップでひとめぼれだったリネンベージュのオーバーオール。
今でいうヴィンテージ加工が施されていて、着るほどに柔らかく馴染み、
くたくた、トロトロ、色褪せるまで着ていました。
もともと黒装束だった私がカジュアルダウンした着こなしにシフトしていったのは、
そのオーバーオールとの出会いがきっかけでした。
夏になると、あれ好きだったな、と思い出します。
この時期、ホワイトリネンも素敵ですね。
ドライで涼しくお洗濯してもすぐに乾く気持ちのよい質感。
シミやよごれもすぐにおちますし、案外ホワイトは扱いやすいので、重宝です。
ニュアンスの違うホワイトを重ねて纏うのもとても好きです。
朝起きて、カットソーの上にノースリーブのアトリエワンピースをかぶり、
ワイドパンツをはいて、ハイソックスをはく。
季節が進むたび、それに重ねてゆくだけ。
山暮らしの時から一年中のコーディネイトです。
それで、アトリエ作業をし、愛犬とお散歩し、郵便局へもスーパーへも出かけてきました。
少々シワがあっても、くたっとしていてもよい時代となりました。
祖母にスカートの後ろがシワになっていると追いかけられた昔も懐かしいけれど。
writer ライター
LM
モード評論、アパレルMDを経て独立。
約10年の山暮らしを経て、東京にUターン。
天然素材の服と雑貨のアトリエを運営。
HP: アトリエ「&R」
http://and-robe.shop-pro.jp/
約10年の山暮らしを経て、東京にUターン。
天然素材の服と雑貨のアトリエを運営。
HP: アトリエ「&R」
http://and-robe.shop-pro.jp/