みどりのゆび

野原こみち|2021年6月19日


最近は、なかなか本を読むことができない日々を送っています。
首のヘルニアのせいで長い時間同じ姿勢でいることが難しくなってしまったのです。ストレッチをするように心がけても、一度集中モードに入ってしまうと何時間も同じ姿勢で仕事をしてしまうという性分はなかなか治らず、症状は一進一退というところ。
すごく悪い状態からは抜け出たものの、体のどこかしらに痛みがでている(首を痛めると連鎖的に肩、腕、手のゆび、腰など色々な場所に支障がでます)状態が長く続いているせいか、精神的に癒しを求めていたらしく、気がつくと家に植物がたくさん増えていました。
毎日、植物をひとつひとつ様子をみたり、水をあげたりとお世話をしていると、とても肩の力がぬけていい時間が過ごせているような気がします。

昔買った「みどりのゆび」という児童書のことを思い出して、本棚から久しぶりに抜き出しました。
お金持ちのこどもとして生まれたチトという主人公が、お父さんが兵器を作る人だったことを知りとても驚くのですが、自分が植物を育てる特別な力「みどりのゆび」を持っていることに気がついて、行動をしていくようになります。
若い頃は、チトのよう(チトは触るだけで花が咲いてしまう神さまみたいなチカラの持ち主です)とまではいかなくても、人並みに植物を育ててみたいなあと思いつつ、色々と植物を育てることにチャレンジしたのですが、かなりの確率で枯らしてしまいました。植物を育てることはあまり自分には縁がないのかな、と思っていたのですが、なぜかここ近年は頑張っているつもりはなくても、自然に植物がいきいきとしてくれるようになりました。太陽の光にぐんぐんと葉を伸ばしていく植物たちをみていると、すごくチカラをもらえます。
葉っぱや茎をじっと見ていると、だんだん水が足りないのか太陽が足りないのか、なんとなくわかるようになってきた気が・・・。もちろん、それぞれの植物の性質をネット検索で調べることも欠かしませんが、今どんな状態なのかは毎日毎日じっと話を聞くように「見る」ということが一番だいじなのかも。
物を言わない相手ですが、今のわたしには大事な話相手たちです。

▼いただいた花束の中にあったユーカリを挿木で育て中。

writer ライター
野原こみち
熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。