外出が思うようにできないとなると。
必然的に自炊率が高まるわけで。
料理というものにじっくり向き合うことが増えた。
日頃なかなか手に取らない野菜をチョイスしたり、
なるべく季節の香りを感じられる旬のものを意識したり。
肉や魚の種類はそう増えるわけもないが、
野菜はどんどん改良され
見たことも聞いたこともないニューフェイスが
八百屋さんの軒先に並べられているから面白い。
それらを煮たり、焼いたり、炒めたり。
どんなに世の中が「レンチンで時短」の方向に流れようとも、
コトコト、クツクツ、ポクポクと
食材が手順を追って姿かたちを変え、
おいしい一品に昇華するのを見届ける時間が楽しい。
手間ひまかけて、とか大それたことでもないが、
子どもの頃に過ごした母親との「台所時間」の記憶が
そうさせているのだと思う。
学校での出来事、友だちのこと、洋服のおねだり。
今度連れて行ってもらいたい場所、将来の夢。
忙しい母親との会話はすべて台所で交わされていた。
楽しいときは「台所時間」に凝縮されていたのかもしれない。
今は、仕事のことや、とりとめのないことを考えながら
好きな音楽をかけビールを片手に料理にいそしむ。
その時間が自分にはとても大切。
さあ、今日も野菜をたっぶりいただきます。
早くあの店のスープカレーが食べたいなぁ、なんて思いながら。
writer ライター
![中館慶子](https://johin-club.jp/assets/uploads/2017/08/nakadate_profile.jpeg)
中館慶子
北海道生まれ。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。