季節が冷え込むのに比例するように、またもや感染者の数が増えていき、ステイホームの年末年始を越え、ついに二度目の緊急事態宣言が発令されてしまいました。目には見えないウイルスとの戦いは年を越しても続いています。
この大変な時の中で、たくさん人のために昼夜身を挺して働いて下さっている人たちがいて、その方々を支える家族や友人の方たちもきっと祈るような気持ちで日々を過ごしていることと思います。
ただ目の前の一日をよりよく生きようと心がけることくらいしかできない自分が歯痒くもありますが、それでも自分に与えられた場所でひとつひとつのことを大切に努めていこうと、あたらしい年のはじめに思っています。
新年を言い表す言葉を色々と調べている中、「永日(えいじつ)」という言葉が心に残りました。
「日中がながく感じられる日」という意味は、なんとなくは知ってはいましたが、別れの挨拶や手紙の終りなどに用いる語で、「いずれ他の日にゆっくり会おう」という意味を持つということは初めて知りました。
昔の人が書いた手紙の終わりによく使われていた言葉なのだそうです。
会いたい人に気軽に会いに行くことも憚られるこんなご時世には、いずれ会う日のことを心に思い描いて、親しい人たちに優しい言葉を贈りたいなと思います。
writer ライター
野原こみち
熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。