気が滅入る話題が続く毎日でも。
春の陽光を感じながら道に咲く花を眺めていると
自然と心が落ち着いてくる。
思えば、好きに外食をして、
好きに行きたいところへ出向き、
好きに人と会っていた毎日。
随分と環境的に贅沢をしていたなと思う。
いまは当たり前のことなのだけど。
ただ、行動に制限がかかってくると
近頃ないがしろにしていたことが
くっきりと浮かびあがってきて。
ちょっと足元を見つめ直そうという気にもなる。
お手紙を書く。
という行為もそのひとつかもしれない。
個人的に人に宛てた文章というのは
誕生日のメッセージカードか、仕事の伝言くらいのもので。
手紙をしたためるなんて、もうずいぶん長いことごぶさただ。
いま、北海道に帰省ができないから、せめてお手紙を出そう。
父が病に伏していたとき以来だから、
家族に手紙を書くだなんて何十年ぶりのことだろう。
ちょっと気恥ずかしいけれど、
引き出しの奥にしまってある便箋を取り出してみよう。
少しのがまんと、少しのくふう。
わたしには、それくらいのセーブも必要かな。時には。