平成最後のプレゼント

中館慶子|2019年5月3日

昭和から平成へと時代が移行したとき。
思えば、すでに社会人として働いていた自分は、
これから始まる「平成」という時代に
どんな希望を持っていたのだろう。

それなりに夢も描いていた反面、
そこそこであろう自分の行く末も感じていたように思う。

先日、平成に突入して間もない頃に知り合った人と
30年近く振りに偶然街中で出くわした。
先方から声をかけていただいたのだ。
最初の3秒くらいは誰なのかピンと来ず、
相手に名乗らせる結果になってしまったことは少々申し訳なかったが
元気そうであったことと、お仕事が成功されていることをお聞きして、
こちらとしてもとても嬉しい気持ちになれた。

今もあの頃と同じ仕事をしているのかと尋ねられ
「そうです」と答えると、瞬時に
「素敵なことだね」と言ってくださった。

そうか。

平成という時代、自分には胸をはれることなど
ひとつもないと思っていたが、
飽きっぽい自分が飽きもせず同じ職業でやってきたではないか。
気づかせてくださって、ありがとう。
平成最後のプレゼントをいただいたようである。

さて、『令和』。
どんな時代になりますか。

writer ライター
中館慶子
北海道生まれ。
仕事でもプライベートでも、どっぷり活字と深い仲。
よく食べ・よく飲み・よく眠り、
合間を縫ってはホットヨガでツリーポーズ。
走ることも大好きで、夢は、いつかはフルマラソン!
わくわくする場所は海と本屋さん。