糾える縄の如し

野原こみち|2018年12月3日

気がつけば、もう今年も最後の一か月に入り、もはやこの時期に思うのは恒例のこととなっているのですが、時が流れる早さに驚きます。

2018年は、私にとっては乗り越えなければならない大きい仕事が重なり、いつも目の前のことに何かしら悩んでいた苦悩の日々でありました。
苦しさもありましたが、その分、物事にじっくりと丁寧に向き合い、考えることができたと言えるのではないかと思います。
まるで、分厚くむずかしい本に向かい合い、わからない言葉ばかりのページに頭を抱えながらも、ひとつひとつの言葉の意味を辞書を引いて調べていくような、そんな途方も無い学びの連続でした。
そういえば、振り返ってみると今年読了した本の数も、例年の3分の1程度でしたが、そこから学び取った叡智は、過去に例のない量だったような気がします。

苦しいとき、小学校の頃の校長先生から何度も教えられた言葉「苦あれば楽あり」と、「禍福は糾える縄の如し」という言葉が頭をよぎりました。
今、この瞬間が苦しくとも、乗り越えた自分が未知の領域への道筋を切り拓くことができたのなら、結果的には苦しめられた数々の偶然も自分の糧となったと言えることができるのでしょう。
あまりにも多くを抱えすぎた過去の自分が、手放す勇気を手に入れて、ずいぶんと遠くまで行けるようになった気がします。
年始の日記にも書いた 「一歩ずつ、たゆまず」 を、人知れず、続けられたおかげです。
継続は力なりと言いますが、何の力になるかといえば、おそらくそれは、自分を信じる力になるのだと思います。

writer ライター
野原こみち
熱しやすく冷めやすく、興味の対象が移ろい易い性格ですが、小さな頃から本だけはずっと手放せません。古本屋は、多くのお店を巡るよりも、贔屓のお店に徹底的に通いつめる派。新刊を扱うお店も同じく。図書館は居心地重視。最近は南米の文学作品、幻想小説を偏愛気味です。