最近は比較的軽めのタイトルを選ぶか、あるいは全く読書ができないか、
そんな日々が続いていた。
実はこの本を購入したのは数ヶ月前。
なのに書評などを読んで手を出せなかった。
「ノヴェル・イレブン、ブック・エイティーン」。
日本では全く無名の、でもノルウェーでは人気作家の小説。
もちろん日本で翻訳作品が出版されたのは、本書が初めてとのことである。
そもそもタイトルからして一風変わっている。
意味はシンプルに、この作家の11作目の小説で18作目の出版物を意味する。
これが小説のタイトルとは…。
そもそもは翻訳者である村上春樹も、知らなかったらしい。
彼がノルウェーのオスロに招かれ、
「一晩だけ朗読会を開いてくれたら、
好きなだけオスロに滞在していただいて結構です」という申し出を受け、
その言葉を真に受けて奥様と1ケ月滞在をした。
暫くして読む本がなくなった時にブックストアでこの本の英訳本と出会い、
気に入り敢えて英語からの重訳をしたという。
タイトルからは全く読み取れないストーリー。
主人公は都会に妻子がいながら恋人と一緒に住むために地方都市の役人になる。
やがてその恋人に魅力を感じなくなり、別れる。
その頃に息子がその地方都市の大学に進学が決まり、
短期の息子との同居生活が始まり…。
嗚呼、全く筋書きを追っても何も伝えられない。
読み進んでいて、普通はどこかのポイントでエンジンがかかる。
電車の乗り換えなどのちょっとした時間でも、1ページで良いから読み進めたいと思う。
最後のページが近づくと名残惜しさを感じて、読了と同時に最初の1ページに戻りたくなる。
ところが残念ながら本書ではエンジンがかからなかった。
それどころか何度かエンストを起こし、
このまま途中で次の本に取り掛かろうかと迷った。
※スタンバイしている未読の本が数冊あるので…。
果たして数年後に、再び手にする日がくるのだろうか。