「ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集」 村上春樹著を読んだ。

玉下奴郎|2016年4月1日

本書は著者が1995年から今年までの足掛け20年の間に様々な雑誌に書かれた旅行記をまとめたもので、
行き先はボストン、アイスランド、オレゴン州とメイン州のポートランド、ギリシャの2つの島、
ニューヨークのジャズ・クラブ、フィンランド、ラオスの古都のルアンプラバン、イタリア・トスカナ地方、
そして熊本県と実に多岐に渡っている。
やっと最後の熊本に至って、もしかすると自分でも行けるかもしれない場所。
それ以外は、「あ、村上春樹が書いてたのは此処だ」とか、
「あ、村上春樹が食べたのはこれだ」という経験をしそうな気がしない。

それでも本書が面白いのは、場所が何処であっても、彼の観察する視点と表現が魅力的だからだと思う。
もちろんこういうのは好みに個人差があるから、
「ふん、そういう場所を訪れて文章を書いてお金を貰えるなんて、なんて恵まれたご身分なんだ」と思う人もいるでしょう。
でも恐らくそういう人はこの本をお金を出して買わない。
図書館で借りたりもしない。
もっと合理的にお金や時間を使うと思います。

本来の紀行文の楽しみ方からは逸脱しているけど、玉下は村上春樹が訪れた場所は二の次であって、
彼が何を題材にどう書いているかを意識しながらページを繰って読了。
あっという間で面白かったです。

そうそう、本筋からずれるエピソード。
本書は朝の9時にAmazonで注文をしたんですが、なんと17時に届きました。
テレビのニュースでは1時間で届く場合もあるとか…。
凄い時代になったもんです。

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